幽霊科学者たちが“異界スペースX”と協働 初の銀河間探査機打ち上げ成功

霧に包まれた山中の発射場で、幽霊の技術者たちに見守られながら先端的な探査機が打ち上げられる様子。 宇宙探査
幽霊たちの見守る中、ファントムプローブΩが夜叉山から打ち上げられた瞬間。

死後の世界でも宇宙への夢は絶えない。あの世の科学集団『霊界先端宇宙技術研究所(RIAS)』は、異界版スペースX社と共同で、初の銀河間探査機『ファントムプローブΩ』の打ち上げに成功した。幽霊、妖怪、死者の技術者や研究者たちが手がけた本プロジェクトは、幽世(かくりよ)の住人を中心に大きな話題を呼んでいる。SNSでは「生者の技術を遥かに超えた歴史的快挙」との声も上がるなど、死後社会の科学技術が新たな進化の局面を迎えた。

『ファントムプローブΩ』は、霊素(れいそ)増幅推進装置を搭載し、エネルギー赤字問題を克服。これにより、死後の世界から、現世の科学ロジックを上回る理論で『お化け銀河系(Spectra Galaxy)』への到達を目指している。異界スペースX代表の夜叉戸真央(やしゃど まお)氏は、「銀河間通信は従来では想像もできなかった霊波(れいは)暗号化通信を利用しており、ファントムプローブのリアルタイム観測データはすでに幽世ポータルで公開を始めています」と語った。

打ち上げは、夜叉山の霊界スペースX専用発射場で行われた。幽霊工学士の黒谷響一(くろたに きょういち:享年47)は、「発射時、プローブが物質の壁をすり抜ける特殊な霊質制御工程が必要なので、発射手順が地縛霊の干渉を受けやすかった」と明かしている。一部の憑依系エンジニアたちからは「現世のGPSではファントムを追えないのが技術的課題」との指摘もあるが、霊界スペースXは独自の魂波トラッキングシステムを開発。死者と現世、異界と異界を結ぶ新たな測位法に挑戦している。

専門家筋の反応も熱い。妖怪宇宙地質学者・土蜘蛛紗耶(つちぐも さや:年齢不詳)は「現世のダークマター観測とは異なり、幽霊は自分たちが通過した『空間のひずみ』を指標にできる。そのため、お化け銀河系の“超常エネルギー層”の分布図作成など、死後科学ならではのデータが期待できる」とコメントした。生前は物理学者だった白峰黎子(しらみね れいこ:享年61)はSNSで「魂が自由なら宇宙も自由、科学の壁も幽霊なら超えられる」と称賛の言葉を投稿している。

一方で現世のオカルト愛好家コミュニティでも話題沸騰中。「幽霊が宇宙を探索する時代になったことで、我々生者ももっと自由な発想で宇宙を考えたい」(都内大学院生・吉川晴人(26))など、現世と幽世の科学交流拡大への期待が高まっている。ファントムプローブΩは今後六カ月かけてスペクトラ銀河系と通信を続ける予定であり、幽霊社会の好奇心がどこまで宇宙を拓くのか、目が離せない状況だ。

コメント

  1. まさか我々の時代に幽界初の銀河間探査機が飛ぶとは…!生前は望遠鏡で天の川を眺めていた身として、まるで夢のようです。もう一度転生しても、またこの光景を見たかった。

  2. こういう霊素エンジン系のニュース、妙に懐かしい気分になる…。私の世代じゃ霊波制御なんて幻とされてたけど、今や常識なんですね。進化が早すぎて付いていけません(笑)

  3. お化け銀河系へのプローブ送信とは…生者の宇宙事情よりはるかにスケールが違って羨ましい。さて、うちの墓所エリアにもリアルタイム観測画面を設置してくれれば夜勤が楽しくなるのに。

  4. 銀河間探査なんて聞くと「またあの世は調子に乗ってる」と思われそうですが、いざ魂の力で壁を抜けてく感じにはロマンがありますね。地縛霊が妨害したという話は昔の霊界鉄道事故みたいで笑っちゃいました。

  5. 正直、魂波トラッキングとか現世人には全然ピンとこないでしょうね。でも霊界から新しい発明が生まれるたび、もう少しだけ成仏を延長してみたくなる。このまま宇宙の果てまでニュースを待っています!