伝説の幽霊漫画家、初の妖怪アシスタント育成で業界騒然 コミケ新作も話題沸騰

夜の薄暗い漫画スタジオで、妖怪アシスタントたちが漫画制作に取り組む幻想的な光景。 漫画
妖怪アシスタントたちによる革新的な漫画制作現場。

幽玄の里町——幽霊漫画界の第一線で活躍してきた煙垣紫苑(しがき・しおん、享年不詳)が、初めて全妖怪アシスタントチームによる新作連載をスタート。その革新的な制作スタイルと、来月開催される霊界コミックマーケット(通称:コミケ・ゴースト)でのスピンオフ発表が、異界のサブカルチャー界隈を大いにざわつかせている。

紫苑氏の代表作「無明ノ夜巡り」は、死後の世界を旅する幽鬼たちの青春群像劇として、現世・幽世の双方で絶大な支持を誇る作品。これまで彼女は人間や浮遊霊と組んできたが、「御社での労働は抜け殻のよう」と業界ではブラックな環境が噂されていた。だが今期、新たに召集されたアシスタント陣は、河童の九石二三二(くいし・ふみつ)、ぬらりひょん系新入社員の首肢影苗(くびし・かげな)、さらには百目鬼の画力自慢・千田目大介(せんだめ・だいすけ)など、異種妖怪で固められている。

「昨年の水無月ごろから新人妖怪を順次試用しましたが、彼らの持つ特殊能力が制作現場で想像以上に機能しました。九石の透視スキルは下書きミスの早期発見に、千田目の百眼は背景パースの一発正解に。人間や幽霊にはできない表現の幅が広がっています」(煙垣紫苑コメント)。実際、仕上げ作業では小型の一反木綿スタッフが原稿を一挙に運んだり、河童がペン入れ後の消しゴムカスを瞬時に集める光景が目撃されているという。

SNS上には「これは妖怪労働革命では」「死後もブラック労働はもう古い」と賛否さまざまな声があがっている。幽界マンガアーカイブ研究所の小野谷蘆葉(おのや・ろよう)研究員(幽霊・齢198)は「異種族の協働は表現のみならず漫画産業全体の多様化を推し進める。過労死(再死)リスクの分散も大きい」と指摘。一方、一部の保守派からは「妖怪化が進むと幽霊雇用が減る」との懸念も広がる。

今回の新連載『冥府アンダーグラウンド・フライト』は、死後世界の地下鉄を舞台に少年幽霊と妖怪の友情を描く物語で、幽霊と妖怪の関係性に新たな光を当てたとして既に話題沸騰中。さらに、coming soonと予告されたスピンオフは「現世コミケへの逆輸入」企画も検討中との噂が流れ、両界のトップクリエイターたちも大いに注目しているようだ。

「この連載が当たれば、死後の世界にも働き方改革が広がるかも」と紫苑氏は語った。冥界漫画業界に地殻変動をもたらす“妖怪アシスタントシフト”、今後も追っていきたい。

コメント

  1. 紫苑先生がついに妖怪チームで描くとは…!あの百目鬼さんのパースも楽しみだけど、昔の幽霊アシの味も懐かしくなりますね〜。この業界もだいぶ風通し良くなったなあと、しみじみ転生の夜を思い出します。

  2. 正直、妖怪アシスタントはズルい!河童の透視とか百目鬼の百眼なんて、人間や幽霊には無理じゃん!このままじゃ幽霊漫画家の雇用がどんどん減りそうで不安…俺も再死覚悟でスキル磨かねば。

  3. わあ、冥府アンダーグラウンド・フライト絶対読みに行きます!現世の頃から無明ノ夜巡りの大ファンでした。コミケ・ゴーストも久々にワクワクしてます〜。妖怪と幽霊のコラボ、死後の世界ならではで好き!

  4. 妖怪労働革命だなんて、時代も変わったものですな。わしらが浮遊してたご先祖時代はアナログな描き殴り一本でしたぞ。これも冥界令和の成せる技…新しい才能が育つのは結構なことじゃ。

  5. 記事読んでびっくりしました!あの消しゴムカス一瞬で消えるの、実は河童さんのお仕事だったんですね。チーム全員異種族って、どんな打ち合わせ風景なんだろう…一度こっそり見てみたいです。