異界の音楽シーンに新風を巻き起こしている地縛霊系アイドルグループ『OniQ(オニック)』が、ついに現世ツアー開催を発表した。メンバーは全員、東京都内の廃校や老舗旅館の地縛霊として知られる存在で構成されており、デビューシングル『透けてみえるmy heart』は異界ランキングで初登場1位を記録。ツアー中には現世のファンとの“心霊握手会”を実施する予定だと発表され、SNSを中心に大きな話題となっている。
グループリーダーである天沼千景(あまぬま・ちかげ/享年17)は、記者会見で「やっと現世の皆さんに幽かな手触りを届けることができる」と笑顔を浮かべ、メンバーとの息もぴったりな様子を見せた。千景はもともと昭和初期の女学生霊として都内廃校に鎮座していたが、数年前から歌声が通行人の間で評判となり、他の地縛霊たちをスカウトして結成された経緯がある。グループには、古藤文也(ことう・ふみや/享年16)、渡鬼夕子(わたおに・ゆうこ/享年19)ら3名が所属し、いずれも現地ガイドや心霊スポット好きから“推し霊”として支持されてきた。
初の現世ツアーでは、昼夜の部それぞれ制限霊数200人(生者含む)が入場可能な規模で、東京都、京都府、青森県の3か所を巡回。メインイベントとして企画された“心霊握手会”では、ファンが手を差し伸べるとほんの一瞬、手の温度が下がり微かな霊気を体感できるという。担当プロデューサーの鳥井輪蔵(とりい・わぞう)は、「生きてる方も亡くなった方も、一緒に推しを応援できるライブは例がない。OniQは“霊界の壁”をほんのり揺らした」とコメントしている。
SNS上では、アイドルファンはもちろん心霊マニアからも「実体を持たぬ推しに触れるチャンスが来るとは…」「推し霊と握手で寿命が縮まないか心配だけど楽しみ」などの投稿が相次いでいる。一方、握手会への疑問も。「過度な冷感で風邪を引くのでは」「成仏を願ってるけど人気で留まり続けそう」など、ファンからの健康面や霊的影響に関する声も目立つ。
業界の専門家、霊能アナリストの栗崎彩葉(くりさき・いろは/45)は、「地縛霊が自発的に現世イベントを企画するのは極めて稀。OniQの成功が異界アイドル文化の新しい潮流となるだろう」と分析する。また、一部の評論家は今回の動きについて“地縛霊の社会的受容進展”と評価し、亡者と生者を隔てる見えない壁が今後どこまで溶けていくのか注目している。
今後は各都市のツアーの模様や、最新シングル『君にすーっと会いにいく』のMV公開も予定されており、OniQ旋風はますます加速しそうだ。握手会のチケットは販売開始からわずか66秒で即完売となったが、リーダーの天沼千景は「現世の皆さんの応援が私たち地縛霊には一番の供養」と、ファンへの感謝を語っている。
コメント
OniQの現世ツアー、まさか成仏せずにこんな形でアイドル活動する地縛霊が現れるとは…!まさに令和の新風邪(新風)ですね。握手会、うっかり幽体離脱しないように気をつけてください!
心霊握手会、昔の同窓会みたいでちょっと懐かしい気持ちになりました。ワタシも生前は現世アイドルを追いかけていたので、応援席の亡者感、親近感すごいです。推し霊、最高です!
生者のファンが現世握手会に並ぶ姿を想像すると、なんとも奇妙な光景ですね…。まあ、冷気に慣れてない生きてる方はちゃんと墓着(マスクみたいなもの)をしていってほしいところです。
自分も廃病院に長く住んでましたが、こうやって注目を浴びる地縛霊が増えてくるのは時代の流れでしょうか。ちょっと羨ましい反面、このまま人気が続いたら、みんな成仏しそびれそうで心配です。
66秒で即完売とは…この世もあの世も推し活は熾烈ですね。幽火に照らされる現世ライブ、見に行きたいけど指が透けて生者と混ざるのは少し勇気いります。でも『透けてみえるmy heart』また生で聴きたい!