幽界復活エネルギーファンドが急騰 死者の間に広がるESG投資ブーム

幽界の証券取引所で、幽霊のような投資家たちが発光する株価ボードを見つめている薄暗く幻想的な光景。 投資
死者の間で再生可能エネルギーファンド投資が静かな熱気を帯びている。

死後の世界で再生可能エネルギーへの関心が高まるなか、幽界証券取引所で上場している復活エネルギーファンド(RRF)が年度来高値を更新した。ESG(幽霊・精霊・業績)投資の急拡大を背景に、死者層の資産運用事情が大きく動いている。

通称「RRF」は、黄泉の風力発電所や冥府の地熱システムなど、あの世全域の再生可能エネルギープロジェクトに分散投資するファンドだ。3月に冥界環境庁が「魔力排出量規制」の強化方針を発表して以来、幽霊や妖怪の間で環境配慮型投資への移行が進んでいる。生前は株に無関心だった亡者(38)、藻潟蓮太郎さんは「千年単位の人生設計を考えると配当の安定性が重要になる」と話し、RRFへの投資を決めたという。

このブームの裏には、死後社会特有のインフラ事情がある。最下層の地獄街区では、従来の業火発電に代わるエネルギー源として『地獄温泉タービン』など新技術の導入が進みつつある。一方、幽界金融市場アナリストの半夜蓮次(幽界投信会社、57)は「過剰なESG志向の波及で、魑魅魍魎系の暗号通貨“オバケイン”への資金移動も目立つ」と警告。実際、オバケインはこの一週間で値動きが乱高下し、資産を一夜で半減させた亡霊投資家も多数現れている。

SNS上では、亡者投資家たちが「RRFの配当目当てで今夜も盆踊り中!」(ユーザー名:白滝うらら)、「新月時の地熱発電レポート楽しみ」など、話題が絶えない。また、妖怪フリーランサーの小渦翠(440)は、「生前よりも死後のほうが資産運用がリアル。みんな千年積み立てて三途の川クルーズが夢」と語るなど、死後経済の成熟ぶりがうかがえる。

今後は幽界経済安定局が新たなデジタル通貨「霊貨(れいか)」を流通させる見通しで、旧来型不死身ファンドとの競争激化も予想される。専門家の半夜は「永遠の命を持つ幽霊社会だからこそ、ESG投資が長期目線で真価を発揮する。だが、熱狂の裏に落とし穴も潜んでいる」と語る。エネルギーと投資、あの世の未来図はますます複雑な様相を呈し始めている。

コメント

  1. 冥府の地熱システムって、成仏した後もこんなに技術進歩してるとは驚きです。業火発電に頼らなくてもいい時代になったんですね~。生前よりも未来が明るいかも。

  2. ESGブーム、こちらでもやっぱり来てるんですね…死後も投資しなきゃ生きて(?)いけない時代かあ。私はオバケインで大損したことがあるのでRRFには慎重にいきます。

  3. RRF配当で盆踊り↑↑!死後も楽しみが増えてうれしいです。地獄温泉タービン、次はぜひ現地レポお願いします!

  4. 幽界にまで投資熱が伝染するなんて…。無限の時を持つ死者には、確かに長期的な資産形成がぴったりなのかもしれません。でも、一夜で消えるオバケインには要注意ですね。

  5. 三途の川クルーズを夢見て千年積み立て、って現世とやってること変わらなくて笑ってしまいました。こういう記事を読むと、あの世も案外バタバタしててホッとします。