決勝点をめぐる“幻の本塁”論争 冥界ベースボール連盟に波紋広がる

夜の霧に包まれた野球場で、消失しかけた本塁ベースの周りに幽霊のような選手たちが集まっている様子。 野球
消える本塁ベースを取り囲む選手たちによる混乱の瞬間。

冥界プロ野球の名門チーム「幽都コウモリズ」と「冥神サンズ」の一戦で、得点圏に絡む“幻の本塁”が判定を揺るがせた。史上初となる「消失ホームベース事件」はファンのみならず、野球界のルールそのものに新たな議論を投げかけている。

事の発端は、第九回裏、コウモリズが2アウト満塁と絶好の勝機を迎えた場面。バッターの影山虚空(かげやま・こくう/幽霊、享年29)が、大谷翔平を研究して編み出した新技“霧走塁”を披露。打球は浅いレフト前へ落ち、二塁走者の比良坂冥一(死神、37)が果敢にホームを狙った。だが、その直後、キャッチャーの熊ヶ峰霞玲(ぬらりひょん、58)が捕球すべく本塁へ向かったところ、本塁ベースが突然「消失」する事態が発生した。

審判団(すべて死後認定済み元高校野球監督で構成)は約20分間プレーを中断し、異界野球史上前例のない“得点圏での本塁消失”に戸惑いの色を隠せなかった。最終的に、冥界スポーツ局公式AR(霊的判定支援)を使用し、走者の足先と消失した本塁の“想念座標”の一致を確認。得点が認められた瞬間、コウモリズベンチとスタンドが歓声と怒号に包まれた。

この騒動について、元冥界選抜監督の生首桜木千疋(さくらぎ・せんびき)は「死後の世界ならではの霊圧障害。本塁ベースが稀に消滅するのは古典的なトラブルだが、近年は新素材の“半透明霊樹脂”導入で防げるはずだった。技術者の再教育が急務」とコメント。一方、SNSには「大谷翔平だって異界でプレーしたら驚くはず」「ベースが消えたら判定どうするんだ」と困惑とユーモアが交錯する声が並んだ。

冥神サンズ側は「熊ヶ峰キャッチャーは、打席での守備妨害も抗議しようとしていたが、今回は不可抗力」と主張。一方、勝利監督の澄空恒遠(すみぞら・こうえん)は、「ルールの隙間を突いた影山の勇気と、霊界スポーツの予測不能性に敬意を表したい」と語った。今回の一件に対し、冥界ベースボール連盟は「今後ノーヒットノーランや得点圏機会の基準にも徹底的な見直しを検討する」と発表。死後の選手たちが夢中で駆け回る冥界球場で、また新たな伝説が生まれた。

コメント

  1. 毎年いろんな事件があるけど、本塁消失はさすがに初めて聞きました!あの世の野球はやっぱり予測不能ですね…次はどんな珍事件が起きるのか、楽しみにしてます。

  2. 幽都コウモリズ、またやりましたね。判定の基準が“想念座標一致”って発想が異界らしくて懐かしいです。私も現役の頃、本塁が逆転したことがありました…。霊的AR技術もどんどん進化してほしいです。

  3. 消えるベース、古典的とはいえ近年聞かなかったので驚きました!審判団も戸惑って当然。亡き夫が昔『あの球場じゃしょっちゅうあった』なんて言ってたことを思い出しました。

  4. 半透明霊樹脂、全然対策になってないじゃん…。技術部もたるんでるし、連盟も基準ゆるすぎ。どうせ来世も同じミスするんだから、もう幻のホームにも来世ポイントつけてほしい。

  5. ルール改正は賛成だけど、“霧走塁”みたいな新技術にはワクワクします!冥界ベースボールは未だに魂が熱くなるなあ。現世球界もたまには見習ってくれたら面白いのに。