幽界フェス、大盛況 死後の世界初の“光る物販”と生霊リハ見学で盛り上がる

薄暗い会場で、発光するブレスレットを身につけた霊たちが漂う幻想的な音楽フェスの様子。 ライブエンターテインメント
死者と生者が集った冥界最大級のライブ会場が幻想的な光で彩られた。

先週末、冥界最大級のライブイベント「第七回幽界フェスティバル」が黄泉ノ渡しホールで開催され、総来場者数は生前・死後を問わず8万を超える盛況となった。人気の妖怪バンド「百鬼夜行バンド」や、死神アイドルユニット「グリム☆シスターズ」らがライブパフォーマンスを繰り広げ、現地は深夜まで熱気に包まれた。中でも今回注目を集めたのは、死後の世界初となる“光る物販”や“一時生霊化してのリハーサル見学ツアー”だ。

今年からライブ演出を一新。会場では黄泉製の精霊石を組み込んだ「幽光ブレスレット」や、亡者職人が手彫りで仕上げた限定パスケースなど、通常は目に見えないはずの死者たちの動きがオーロラ状に可視化される新しい物販が好評を博した。物販整理を担当した幽人(ゆうじん)スタッフ・千弦真弓(せんげん まゆみ・永遠21歳)は「お客様が手にした瞬間、魔灯台で一斉に光が群舞して幻想的な一体感が生まれました」と話す。購入者の霊魂(53・元歌舞伎役者)は「物販目当てで現世から一時帰省した甲斐があった」と語った。

ライブ開始前には昨年から声が高まっていた「リハーサル見学」も実現。生前ファン歴35年の妖狐・檜山玉翠(ひやま ぎょくすい・456歳)は、一時的に現世の自室から生霊化し、舞台裏を見学。「ステージ照明オーガたちが仲間内で精霊灯を投げ合う様子や、生前とは桁違いの音響調整儀式に圧倒された。死後ならではの臨場感がここにあった」と興奮を隠さない。

さらに、チケット購入が難航する事態も。祭典運営は時間停止チケットと永遠有効サブスクの導入を新たに発表したが、一部では魂の管理番号流出によるダフ屋騒動も発生。運営事務局では「死者も生者も平等に音楽を楽しめる環境整備に努める」とコメントしている。

SNS「霊界ツイート」では、「照明がまぶしすぎて祖霊の顔が見分けられない」「物販で使い果たして転生貯金が底をついた」など多彩な声が飛び交った。文化人類学者の水上幽助(みずかみ ゆうすけ)は「幻想的なエンタメが死後社会の心を豊かにし、現世との文化交流も活性化する兆し」と分析。来年は“現世サバトの遠隔音響体験”も予定されており、死後ライブエンタメの進化は止まらない。

コメント

  1. 私も現世から生霊チケット参戦したけど、幽光ブレスレット本当に綺麗だった!転生資金使い果たしたけど後悔ない~。次は御供え箱限定グッズも期待してます。

  2. まさかダフ屋がこの世もあの世も関係なく暗躍するとはな…。魂の管理番号流出はシャレにならんぞ。運営さん、もっと結界を強化してくれ。

  3. 百鬼夜行バンド最高すぎて、幽界ならではの音響、体感したらもう現世ライブには戻れないな。生前より魂が震えました!

  4. こういう祭典、前にも参加したことあるけど、物販で心火(しんか)が灯る感じ懐かしかった。でも照明が強すぎて、うちのご先祖さまたち集合写真で誰が誰だか分からず…。幽界あるあるですね。

  5. リハ見学ツアー、あれは良かった。生霊化トンネルを初めて通ったけど、まるで新しい成仏体験だった。来年は遠隔音響体験、現世の友人とも参加してみたい。