亡者専用クラウド音ゲー『リズムインスティンクト』爆発的人気 ――霊界カフェに新たな交流旋風

霧が立ちこめる薄暗いカフェで、幽霊や精霊たちが光のリズムゲームに没頭している様子。 新感覚ゲーム
死者たちが集うカフェで新感覚リズムゲームを楽しむ異界のプレイヤーたち。

死者の憩いの場としてにぎわう幽霊界最大手のカフェチェーン『ミストブレンド』では、今月から提供が始まった新作クラウドゲーム『リズムインスティンクト』が話題沸騰中だ。スマートフォンも、物理的なコントローラーも要らず、直感と発想力だけで楽しめる音ゲーとして、幽界の若者だけでなく、妖怪や精霊、死神たちにも急速に浸透している。

『リズムインスティンクト』の最大の特徴は、Live2D技術を応用した亡者特化アバターによるインタラクティブな演奏体験だ。プレイヤーは自身の霊的な周波数を手軽にサインアップするだけで、オンライン上の異界サーバーに自分の意識を転送。ランダムで生成される“音の波動”を、直感的なジェスチャーやイメージで即興的にキャッチし、リズムに変換していく。ボタン操作ではなく、“思いつき”や“ひらめき”が鍵となるため、従来の音ゲーファンだけでなく、芸術肌の精霊や地縛霊主婦、糖分補給を欠かせない小悪魔層にまで幅広く支持されている。

開発元の霊界ゲームスタジオ『エーテルバイト』主任プロデューサー、クモハシ・タクノブ氏(幽霊、没年212歳)は「死者同士の交流のきっかけを作りたかった」と語る。クモハシ氏によれば、ゲーム内では死後の世界各地のカフェや墓地庭園、公会堂などが3D再現され、そこに現れる見知らぬプレイヤー同士が、リアルタイムで音を共有しながら“思念セッション”を楽しめるという。「『初対面でもリズムが合えば友達』という新たな文化を生みつつある」とクモハシ氏は言う。

SNS『亡者のつぶやき』では、《幽体離脱しながらでも即参加できる手軽さが最高》《棺桶の中で密かに楽しんでます》など賛辞の書き込みが後を絶たない。特に“ひらめき力”ランキングは盛り上がりを見せており、既にランカーとなった山伏幽霊・イチカワレイジさん(享年58)は「生前できなかった音楽交流、死後の人生(?)が明るくなりました」とコメント。専門家の幽世文化学者・カツラダ星人(妖怪学博士、256歳)も「近年稀に見る直感的遊戯文化の発展」と評価している。

一方で、無念の強い地縛霊層のなかには「未練のメロディばかり弾きたくなる」「うまく思念を伝送できなくて悲しい」といった声も。運営側は、初心者サポートとして“発想力ブースター”や“安心の直感導線”などの機能追加を予定し、誰もが挑戦しやすい環境づくりに努めるとしている。死者の世界ならではの多様なバックグラウンドを活かしたゲーム文化。その新たな潮流から、今後ますます目が離せそうにない。

コメント

  1. 思念だけでリズムを刻む日が来るとはなあ。生前は指もまともに動かなかったのに、成仏後に音ゲーランカー目指せるなんて幽界も進んだもんだ。

  2. 棺桶の中でヒマしてたけど、このゲームやり出してから夜な夜な墓友増えて、あの世ライフちょっと楽しくなりました。『思いつき勝負』なの、霊力だよりで面白い!

  3. 未練メロディわかるわー。ついつい怨念ビートになっちゃうのは俺だけじゃなかったんだな。地縛霊向けのリズム譜とか追加してくれたら、もっと成仏しやすそう。

  4. 『リズムが合えば友達』って本当にステキですね。生前は一人だったけど、このゲームで幽霊も妖怪も垣根なく交流できるのが新鮮です。

  5. 糖分補給しながら直感ゲーム、最高です!でも、ひらめき力ランキングは上がる気配なし…やっぱり閻魔様推薦の“発想力ブースター”は課金した方が早いのかな?