幽界マンガアプリ利用者が急増 “悪霊まんが道”異例の広告バブル到来

薄暗い部屋でスマートフォンやタブレットに夢中になる幽霊や妖怪たちのリアルな集合写真。 漫画アプリ
死後世界で話題のマンガアプリを楽しむ幽霊や妖怪たちの様子。

近年、幽霊や妖怪専用に開発されたマンガアプリ『ピッコマ冥界版』が死後世界で急速に支持を集めている。地縛霊中学生・霧原透(14)が投稿したホラー4コマ『囚われ校舎』がアプリ内で連載開始、広告視聴による“幽魂ポイント”獲得システムが死者街のあいだで一大トレンドとなっている。

死後の娯楽は伝統的に怪談朗読や追憶囲碁などが主流だったが、各世代に対応したデジタル化が進む中、冥界初の公式マンガアプリが登場。目玉機能は現世のテレビCMの“怨念アレンジ版”を一定回数視聴することで単行本をアンロックできる仕組みだ。広告内容は腐葉土洗剤や夜泣き解消札など異界特有のラインナップで、「上質な浄化を日常に」などのキャッチコピーも反響を呼んでいる。

マンガ人気の牽引役となった『囚われ校舎』は、不慮の事故で成仏し損ねた生徒たちの日常を描く連載作品。幽霊読者の共感を集め、広告視聴回数が10億回を突破。読者の一人、橋上すだま(享年21)は「広告を観る度に浄化力が上がる実感も嬉しい。単行本の紙質も冷ややかで持ち心地が良い」と評する。

業界専門家の妖怪書評家・放下百目(ふけひゃくめ/年齢不詳)は、「地縛霊や河童向けに最適化したフォントやページ送りが成功要因。現世でも話題のWebコミック形式だが、冥界では滑稽話や因果奇譚が人気ジャンルだ。読者が広告に集中するのは、呪縛の緩和や記憶の深掘り効果があると信じられている」という。

SNSでは“#死後でもマンガ”“#魂で推す”といったハッシュタグが連日トレンド入り。今後、冥界アプリ発の有料連載や、現世と同時配信を目指す“生前アクセス”施策も検討されている。アプリ運営会社は「異界発新作マンガの連載希望が殺到している。今後は怨霊作家への支援増強と広域魂ネットワークの増設も進めたい」と語り、デジタル娯楽に活気付く死後社会の変容を象徴する現象となっている。

コメント

  1. いつも怪談朗読ばかりだったけれど、最近はマンガの切なさや笑いで成仏し損ねた気持ちが和らぐ気がします。『囚われ校舎』の4コマ、帰幽電車で読むのが日課になりました。浄化力アップの広告、ちょっとクセになりますね。

  2. 腐葉土洗剤のCM、一度観ると頭にこびりつく怨念アレンジが最高です!単行本の紙の冷たさも、我ら幽界民にはたまりません。生前アクセスが来たら現世の友達にも勧めたい!

  3. こういうデジタルの波に乗った娯楽も悪くないですね。幽魂ポイントで交換できる魂グッズも増やしてほしいです。昔は追憶囲碁一択だったのに、今じゃスマホなきゃ生き返れないレベル。

  4. 正直、広告バブルって残留思念の無駄使いじゃない?怨霊作家支援とか言ってるけど、本当に現世の人気に並ぶ日が来るのかしら。不安半分、期待半分って感じ。

  5. マンガも時代とともにここまで来たか、と昔の魂は感慨深いです。生前は紙の本で火葬されたけど、いまはアプリで何巻でも読めるので、何度でも成仏し直しそう。霧原さん、応援してます!