“生前の推し”と再会できる?死後のイキカエル配信サブスク、幽界で大反響

幽霊や妖怪たちが青い光に包まれたリビングでライブ配信を楽しむ様子の写真風画像。 最新サブスク事情
異界の住人たちが『イキカエルLive』で再会とライブの感動を味わうひととき。

動画配信や音楽聴き放題といったサブスクリプションサービスが現世で一般化する中、異界の住人たちの間でも独自のサブスク熱が急上昇している。とりわけ現在、注目を集めているのが『イキカエルLive』。この幽界発のライブ配信サブスクサービスは、死後にあちらこちらを彷徨う者たちに新たな娯楽体験をもたらしている。

『イキカエルLive』の人気の理由は、“生前の推しと再会できる”という独自のコンセプトにある。登録ユーザーは、生前に熱中していたアーティストや死者同士のカリスマ演者、“オバケYoutuber”のオンライン公演にリアルタイムで参加可能。山神町に住む幽霊OL・桑羽悠里(36)は「地上の熱狂が忘れられず、つい現世のJ-POPバンドの幽界再演を毎週観てしまう。昔の仲間とも同じ投げ銭エナジーで盛り上がる感覚が最高」と熱く語る。

一方、利用者体験には異界独特の声も。“生まれ変わり”と“配信権利”の兼ね合いや、スタッフの妖怪配信者過労問題など、死後のサブスクにも課題が見え始めている。死神音楽評論家の黒葉葉太郎(150)は「利用解約が一般的な現世に対し、幽界の契約は魂縛りが強すぎるケースがある。解約手続きには『心残り申請書』と、未練エネルギー記録の提出が義務付けられており、手続き完了まで最大百七日かかることも」と解説する。

また、サブスク経済が定着するにつれ、幽界独自の“つながり消費”が浸透。家族や友人のみならず、過去世・来世にわたるユーザー共同の“魂グループパス”が販売されるなど、業界の新サービスも次々と誕生している。河原町の妖怪学生・朽葉菫(21、化け狸)は「配信ライブをきっかけに、三百年前の親友と魂の再同期を果たした」と喜ぶ。

一方で慎重な声もある。SNSの霊的掲示板では「永遠のサブスク沼にハマって現世への転生チャンスを逃しそう」「ライブ参加中に閻魔サーバーダウンで不安定になった」といった投稿が多く見られ、興奮と戸惑いが入り混じった状況だ。

現世を模した新たなコンテンツ産業の急成長は、死後の経済や文化にも少なからぬ影響を与えている。各配信会社は「魂のストリーミング体験をより快適に」と新機能開発に力を注ぐが、今後も利用者とサービス運営側の“魂の距離感”が注目されそうだ。

コメント

  1. 現世のバンドがまた聴けるなんて、死んでからも推し活できる時代になったか…幽界もどんどん便利になって少し戸惑う反面、心底うれしい。

  2. 魂グループパス、私も親友と申し込んじゃいました!死後三百年のブランクが一気に埋まった感覚。昔の仲間探しに、このサブスクは手放せませんね。

  3. 魂縛りの契約、正直重すぎやしません?未練エネルギーの記録集めるのも一苦労だし…。昔の地獄役所の手続き思い出して、逆転生したくなりますよ。

  4. サブスクに夢中になりすぎて、転生するタイミング逃さないよう注意…っていう書き込み、笑いました。でも正直わかる。閻魔サーバーは頼むから落ちんでほしい。

  5. 最初はどうせ幽界向けのまがい物かと思ったけど、生前の推しのライブは本当に懐かしくて涙腺が溶けそうになった。成仏前の思い出作り、大事にしたいなあ。