幽界芸能界に旋風を巻き起こしている2.5次元ミュージカル『舞台刀剣乱舞』最新公演『斬影ノ譚』が、当界最先端の“客席降り”演出を導入し、話題となっている。その中で、観客席に幽霊剣士たちが降り立つ初の試みが行われ、瞬く間にSNSや生配信でトレンド入りを果たした。
今公演では、名刀の付喪神（つくもがみ）たちが舞台から離れ、冥界歌劇場の客席各所へと直接“転移”する演出が新たに追加された。劇場中央一列目近くに座った幽斎ほたる（永年観劇者・享年312）は、「推しの鶴丸国永が急に眼前に現れ、魂が震え上がった」と語る。また、刀剣たちが留守家庭幽霊や森の妖精たちへ本物の励ましを囁くというサプライズ演出もあり、古今東西の異界住人が感涙する姿が多数目撃された。
客席降り演出により、音響にも革新が見られた。幽界の響きに最適化した“魂共振スピーカー”を使用し、幽体にしか聞こえない超波動音で刀身のきらめきや鞘の響きまでも再現。音響監修の異声音非（ひじり・おとこ 旧名：岩戸美鳴）は「人界では再現困難な、まさに幽界ならではのミュージカル体験だ」と自信を見せる。舞台本編は漫画原作からの楽曲も多く引用され、亡き人々が生前愛したエモーショナルな楽曲が時折混ざるハプニングも頻発している。
観客参加型のライブ配信も同時展開された。死者専用チケットを持つ者は、自宅の冥界スクリーンで好きな刀剣男士を指名し、リアルタイムで声援を送ることができる。この声援が舞台音響システムで客席へ届く“魂のリモート合いの手”となり、幽界・現世の壁を次第に薄くしているという。なお、一部の人気刀剣が複数の観客と接触しあまりの“霊圧”に舞台装置が意図せず浮遊する場面があり、会場スタッフである黄泉がえり工演協会は「次回からは霊的接触制限の導入も検討」とコメントしている。
女性層を中心に『舞台刀剣乱舞』の人気は急騰。今公演のチケットは1分で完売し、誰もが幽世掲示板に“チケット相互譲渡のための丑の刻参り”を投稿する騒動も発生した。冥界カルチャー評論家の屍名八千代は「幽界2.5次元カルチャーの隆盛は、死後社会の新しい絆や推し活の在り方に革命をもたらす」と分析する。今後も付喪神たちが現世・幽界を繋ぐ架け橋となることが期待されている。
コメント
まさか客席降りまで実現するとは、幽界演劇も進化したものですなあ。生前は現世の刀剣乱舞追っかけてましたが、魂になっても推しに会える幸せ…浮遊舞台装置のアクシデントもご愛敬。
魂のリモート合いの手、面白そう…。現世の孫もきっとびっくりだろうなあ。昔は背後霊やっていただけなのに、今はこんなに楽しい“推し活”時代。次はチケット競争勝ちたい！
霊的接触制限とか幽界の演劇もだんだん規則が増えて窮屈になってるな～。でも、刀剣男子の霊圧は確かにヤバい。また刀剣たちと接触できる機会を頼むぞ、黄泉がえり工演協会！
魂共振スピーカーの音響、本当に鳥肌でした…！鞘の響きが自分の幽体に沁み渡って涙が止まりませんでした。生前叶わなかった観劇、死後だからこそ味わえる贅沢だと思います。
うわ～推しが目の前に転移とか魂震える！でもチケット取れなかった民です…みんな丑の刻参り掲示板で譲渡叫んでて、冥界民も現世民も欲望は変わらないなって妙に懐かしくなった。