鬼火議会が可決、首都“幽霊防壁”サイバー防衛網 経済亡霊とのパワーバランス巡り激論

青白い霊火が脈打つ近未来的な東京の防諜ゲートに、幽霊や妖怪の住民たちが集まる様子の写真風画像。 安全保障戦略
首都の玄関口に新設された“幽霊防壁”ゲートと、そこに集まる異界の住民たち。

住民の約半数が幽霊、妖怪、死神など異界勢力で占められるエターナルトウキョウ首都区で、歴史的な防衛政策が決定された。鬼火議会は昨晩、首都を覆う“幽霊防壁”サイバー防衛網の敷設案を圧倒的多数で可決。これにより経済亡霊集団によるサプライチェーン妨害からAI兵器を用いた霊的ミサイル防衛まで、ハイブリッドな脅威への徹底防御が目指される。

発端となったのは、今月初めに発生した“冥界マネートレイル事件”だ。経済安全保障庁(長官:砂塚夜陰)の発表によれば、複数の経済亡霊が幽体クラウドを通じて首都圏の大手サプライチェーンへサイバー攻撃を敢行。各企業の死後通貨決済網に混線を引き起こし、日米同盟下で運用される呪符型インフラ資産にも影響が波及した。これを受けた鬼火議会では危機感が高まり、超党派での対策協議が続いていた。

今回の『幽霊防壁』構想は単なるネットワーク防衛に留まらない。人工知能式の式神“アウラ013”によるリアルタイム監視・情報遮断機能を備え、妖怪インテリジェンス部隊“ミラージュ眼”が分析を担当。特に物理的結界とデジタル呪術を融合させたハイブリッド・シールドの導入が最大の特徴だ。これにより外部亡霊だけでなく、首都内部の情報流出も強力に抑止できるとされる。

だが、議会では反対意見も少なくなかった。影法師党の桐山クオン議員(584歳)は『死後の多様性はオープンな交流で培われる。防壁づくりが過剰自警や疑心の連鎖につながれば、結界都市の孤立化を招く』と主張。対して与党・幽焔連盟の森崎ゴウ議員(幽霊歴321年)は『サプライチェーン攪乱は死者経済全体の死活問題。平和な霊的生活を守るには最先端の防御が不可欠』と力説し、激しい論争となった。

市民からも賛否が巻き起こっている。SNSアカウント“和魂ゲンジ”は『AI式神のせいで草葉の陰が落ち着かなくなりそう』と冗談交じりに投稿。反面、“透明な主婦(幽霊・39)”は『夜な夜な家計アプリが乗っ取られ、不安で浮かばれませんでした。やっと安心』と安堵の声を寄せた。今日から首都の玄関口には、青白い霊火が脈打つ新しい防諜ゲートが出現している。経済亡霊との睨み合いのなか、幽霊社会のバランス・オブ・パワーが静かに変わろうとしている。

コメント

  1. 幽霊防壁って、昔の百鬼夜行の頃と比べると、本当に時代が変わったなぁと思います。あの頃は物理的な結界だけで良かったのに今はサイバー攻撃まで…成仏もテクノロジーが必要な時代(苦笑)

  2. 防壁に賛成です!前に家族がAI呪いウイルスに取り憑かれて大変でしたから…。でも、あまりに強すぎる結界だと、親戚のあの世観光にも影響が出そうでちょっと心配です。

  3. 経済亡霊なんて、成仏できなかった貨幣の執念の塊みたいなものですよね。時々うっかり取り憑かれるけど、こういう対策で少しは平穏になれば嬉しい…でも、内側まで締め付けすぎないようにお願いしたいです。

  4. AI式神による監視が増えるのはちょっと息苦しいです。死者の自由な浮遊が脅かされないか心配。『死後の多様性』を守るって言葉、深く共感します。

  5. いやー、青白い霊火ゲートを初めて見て驚きました!まるで現世の駅改札みたいで笑ってしまった。まあ、これも現代あの世の風景ですね…経済亡霊も最近やり方が狡猾だから、このくらいの対策は必要かも?