幽界最大級コスプレイベントに新風 “宅コス派”精霊も続々集結

薄紅色の霊光が差し込む幻想的な庭園で、多様なコスプレ姿の幽霊や精霊たちが長い列を作っている様子。 コスプレイベント
第七薄明層の“幻影庭園”に多種多様なコスプレ幽霊が集い、笑顔で交流する姿が印象的です。

「幽界コスプレサミット2025」が去年を大きく上回る1万人規模の来場者を集め、冥府最大のコスプレイベントとして多種多様な異界住民たちの間で話題になっている。舞台は第七薄明層の“幻影庭園”、今年は不定形の亡霊や妖怪、歴史的著名人の幽霊だけでなく、人間界のアニメやゲーム作品の“宅コス派”精霊までが多数参加した。コスプレを通じて「あの世の交流」が一層活発化している。

会場となった“幻影庭園”は、普段は沈黙霧に覆われているが、イベント当日は早朝から薄紅色の霊光が差し込み、特設のロケーションエリアには撮影待ちの長蛇の列。注目の公式レイヤー、震霊ヒスイ(無所属・享年永遠18)は『燃え上がる魂の剣士』の宅コス姿で会場の話題を集め、持参した痛バッグに自らの儚き記憶をデコレーション。「更衣室の生けるカーテンが魂を吸う」と噂されていたが、今年は新ルールで“衣類も意識のみで着脱可能”が認められ、混乱もなくスムーズな運営となった。

参加費は生前通貨に加え“未練ポイント”でも決済可能に。リピーターの影達からは「現世より親切な価格設定」と好評の声が相次いだ。更衣スペースには亡者スタッフによる即売会も併設されており、人気は「写経風名札」や「あの世限定缶バッジ」。職業・年代ミックスの参加者同士が互いの“転生遍歴”を紹介しあう光景も珍しくなかった。昨年不評だった“交流不可”ゾーンは、今年から「積極的コミュニケーション推奨」に切り替えられ、誰もが気軽に名乗れる霊的IDの導入も話題を呼んでいる。

宅コスの部で団体賞に輝いたのは“迷い星精霊サークル星夜蜃気楼”。代表の霧野リン(精霊、推定享年42)は、「現世のグッズを模した痛バッグは魂とのリンクを深めるツール」と語る。実際、ロケーションごとにユニークな“霊界痛バッグ”を持参するグループが続出し、SNS「アストラゴースト」では幽界トレンドタグ『#霊界痛バッグ選手権』が爆発的に拡散した形だ。

エンタメ専門家の漣波レイジ(死後経済研究所・上席分析官)は「魂同士のコスプレ交流は未練や想念の表現手段として進化している。宅コスという新文化があの世全体の垣根を引き下げ、年々若返りと多様化をもたらしている」と指摘。幽界コスプレ運営委員会は来年度の拡大開催も表明しており、「ロケーションの追加」「新たな生前キャラクター部門」「AI精霊との交流エリア」設置など、新企画の具体化に入ったことを明らかにしている。

コメント

  1. 幻影庭園でこれだけの精霊たちが集まるなんて、さすが幽界最大級ですね。現世のアニメキャラや痛バッグまで流行るとは…時代は変わったものです。来年は私も写経風名札を作って参加してみたいです!

  2. 更衣室のカーテンが魂を吸うって噂、わしの頃にもあったんじゃが、やっと意識着脱が認められて安心したわい。宅コス精霊たちの熱量もすごいし、未練ポイント決済は現世より便利じゃのう。

  3. 交流推奨ゾーン、うらやましい…私は陰世のイベントで誰とも話せなかった覚えがあるので、この変化はまぶしいです。霊界痛バッグ、今の若霊たちの間でそんな風に魂のリンクになってるんだなぁ。

  4. それにしてもコスプレサミットがここまで盛り上がるとは思わなかったよ。新たな生前キャラクター部門とか、いったいどんな転生レイヤーが現れるのか楽しみすぎる!幽界も自由で楽しい時代になったな。

  5. 魂同士のコスプレが進化って、ここまで来ると未練というより趣味の領域じゃないか?交流もルールも増えて、だんだん生きてた頃の祭りと変わらなくなってきたな…まあ、それも悪くないか。