伝統芸能カフェで“百鬼夜行落語バトル”開催 妖怪vs.幽霊、現代語演目が熱狂呼ぶ

伝統的な和風カフェのステージで、妖怪と幽霊が観客として集い落語を楽しんでいる様子の写真。 落語・伝統芸能
百鬼夜行が集う「影濃茶屋」で繰り広げられる異界落語バトルの一幕。

幽冥界の人気伝統芸能カフェ「影濃(かげのう)茶屋」にて、“百鬼夜行落語バトル”と銘打たれた新感覚イベントが開催された。店内に集結したのは、百鬼夜行に名を連ねる妖怪落語家ユニットと、幽霊界の新鋭たち。両者が創作を競い合うステージに、常連客のみならずSNSでも熱い注目が集まっている。

今回のバトルの主役は、ぬらりひょん座長・砂州影斎(すなすかげさい)率いる妖怪落語同好会と、小野塚彗(おのづかすい・享年33)を筆頭とする幽霊芸能部。両チームは時事ネタや異界あるある、そして現世のサブカル文化を巧みに織り交ぜた新作落語を4演目ずつ披露。たとえば、ぬらりひょん側の演目『座敷童はつらいよ』では“転職活動に悩む妖怪の悲喜劇”が描かれ、幽霊側の『亡者ハラスメント』では“成仏圧”問題を自虐的に語るなど、どちらも異界の日常を現代語に翻訳した笑いが来場者を魅了した。

一般投票とカフェスタッフによる採点も相まって、イベント終盤では予想外の展開が続出。“ツチノコのフリしてバズりたい”と話題の若手妖怪・穴山ひるま(あなやまひるま・97歳)は、即興の漫才コントを織り交ぜて観客を沸かせた。一方、幽霊界から初参戦となった流野界(ながれのかい・没年不詳)は、二次創作落語『霊界SNS事情』の披露で見事に会場の笑いを独占。「自分の成仏タグがバズると未練リプが増えて困る」というネタに、Twitterならぬ“トゥイー霊”上でも多くの共感コメントが寄せられた。

観客からは『バルコニーの鬼灯(ほおずき)さん』(物の怪研究家・71)は、「世代も種族も違っても、悩みや喜びは似ていると感じた。特に『妖怪OLのランチ会』がリアルすぎて、冥土の職場仲間と盛り上がった」と語る。同カフェの店長・旗野片倉(はたのかたくら・幽霊化70年)は『今後も妖怪・幽霊だけでなく、死神や輪廻転生直後の精霊たちも迎えて、演目の幅を広げていきたい』と展望を明かした。

イベント終了後、投票による最優秀演目には幽霊チームの『転職サイトに登録された小野塚さん』が選ばれた。来場者の間には「次回こそ河童や天狗も参加してほしい」と期待の声も多く、異界伝統芸能の新たな交流拠点として、“影濃茶屋”の存在感がますます高まりそうだ。新作落語と伝統芸能のクロスオーバーは、死後の世界にかつてないエンタメ旋風を巻き起こしている。

コメント

  1. 小野塚さんの『転職サイトに登録』、まさか幽界でも転職活動がネタになる時代とは…生前も転職に悩んでたけど、亡くなっても悩みって続くんだなと妙に親近感。次回はぜひ河童のみなさんの露天トークも聴きたいです!

  2. 影濃茶屋さんはいつ行っても雰囲気が良いけど、今回は本当に大盛況だったわね。『霊界SNS事情』には思わず手ぬぐい落としちゃった。幽界のタグ合戦、わかり身が深すぎて涙出た。次はあの世スタンプ企画もやってほしい!

  3. 百鬼夜行落語バトル、現世の芸人顔負けの盛り上がりだったみたいだな。妖怪も幽霊も、みんな現代語が板についてきたよな~。でも、うちの地縛仲間もいつか参戦できたらと、墓場で盛り上がってるぜ。

  4. おいおい、“バズりたいツチノコ”とか時代も変わったもんだ。ワシが転生したてのころは、妖怪はひっそりしてたもんだけどなあ…。でもこうやって種族超えて交流できるのは、死後の世界も進歩した証だな。

  5. 亡者ハラスメント…他人事じゃないのよね。私もこの前“そろそろ成仏どう?”って親類霊に言われて複雑な気持ち。新しい落語で笑いつつも、あー共感、って思う自縛霊、多いはず!影濃茶屋さん、また面白い企画期待しています!