冥界最大級のエクストリームスポーツ祭典「スペクトラ・エクストリームフェス」が、今年も黒霧アリーナで開幕し、幽霊や妖怪、死神ら異界のアスリートが、圧巻の技と個性で観客を沸かせた。今回から新設された“パラノーマル・スノーボードクロス”や“無重力ラぺリング”など、死後独自の進化を遂げた競技も初お披露目され、観戦に訪れた魂たちがSNSで熱狂的に拡散する様子が話題となっている。
エントリー総数は史上最多の666名。開幕式には、片足が消えかけながらスラックラインを渡る幽霊サーファーの笹原幽介(36)が、通称“幽霊ボード”でウェイクボードのデモンストレーションを披露。参加者の一人、妖怪クライマーの燈台カンナ(229)は、「こちらの世界では壁も大半が透明。生前よりも身軽になった体を生かせるが、油断すると重力の概念ごと消えて落ちる。緊張感では現世に負けない」と巧みに次元の狭間クライムを制覇した。
特に注目を集めたのが、会場中央に設置された“浮遊クライミングジム”だ。地面から数十メートル浮かび続ける巨大岩に、参加者たちが半実体化してよじ登るという競技で、闇の速記者・十一屋レンジによれば「落下してもゴースト化して地上に戻るため、恐怖心よりもカッコよさや芸術性で点数が稼がれる」という。また、霧の谷出身の死神兄弟ユニット、砂岡双夜(17)・砂岡無雲(17)はパラグライダー競技で“冥風流フリースタイル空中バトル”を初披露。「気流の向こうに過去の自分と出会いそう」とSNSでも話題だ。
一方、観客席でもストリートカルチャーのうねりが生まれている。各競技の待機エリアでは新興幽霊アパレル「スモークタグ」主催の“魂グラフィティ”コンテストや、魂を浮遊させながら路地裏パフォーマンスを競う“ゴーストストリートダンス”も開催。生前のアスリート魂を持つ観客たちが、推し選手のフラッグを波打たせる姿には、冥界ならではの熱気が満ちていた。
競技解説を務めた霊界エクストリーム協会代表の古田ベール(没後140年)は「死後の世界だからこそ不可能を可能にする。命の恐怖がないぶん、挑戦できる領域がどんどん広がる。今年はとくに生前を忘れないストリートの自由な発想が光った」とコメント。今後は“未練解放パークレーサー”など新競技も計画中といい、来年に向けて幽世のアスリートたちから熱い視線が注がれている。



コメント
フェスの浮遊クライミングジム、今年こそ参加したかったなあ。成仏してからこういう自由なスポーツに挑戦できるの、冥界ならではですね。幽介さんの幽霊ボード、相変わらず憧れます!
昔は現世の体育の時間ですら壁登り苦手だったけど、こっちの世界は重力も空気も全部自分次第。だからこそ、魂のセンスが問われる気がする…!やってみたいけど結構怖そう。
パラグライダーで“過去の自分”に出会いそうはちょっと泣けた。冥界でも、みんな自分の未練とか生前の思いを背負って挑戦してるんだなあって、観てて応援したくなる。
生きてた頃は現実離れしたスポーツなんて夢のまた夢だったのに、この世で魂グラフィティやダンスで自由になれるなんて、転生して得した気分!スモークタグの新作アパレルも気になるー。
あいかわらず冥界は盛り上がってるな~。けど命の恐怖が無いからって、無茶しすぎて幽魂飛ばされた奴、去年見たぞ。今年はもうちょっと安全にしてほしいニャ。