電子書籍「少女吠える夜」幽界でバグ騒動 消えた台詞に1500体の苦情殺到

幽霊の会社員が透明な電子書籍リーダーを手に座り、画面にセリフが黒塗りされた漫画を困った表情で見ている。 漫画
霊界の電子書籍端末で発生したセリフ消失トラブルに困惑する幽霊読者。

死後の世界の電子書籍市場に大きな波紋が広がっている。人気連載漫画「少女吠える夜~百霊高校日誌~」の最新話が、幽界版電子書籍プラットフォーム「カカカジャンプ!」で配信された直後から、一部のユーザーの端末で肝心のキャラクター台詞が読み取れなくなる珍現象が発生。苦情がわずか一夜で1500体を超え、出版社である半影書房が緊急対応に追われている。

この現象は、霊体専用の読書端末「コワモテReader」や腐崩(ふぼう)系妖怪向け端末で多発。画面をめくるたびに主要キャラ・灰原カナのセリフが墨塗り状態あるいは“オカルト文字化け”として表示されるという。被害報告した幽霊会社員(321)のナカゾノ・アサギさんは「楽しみに生前から読んでいたのに、今夜は行間から“女王が吠える”不明瞭な音がするだけ!これじゃアニメ会のネタバレもできない」と失望を語る。

半影書房によると、今回の不具合は新たに導入された「あの世限定伏字システム」が原因とみられる。本来、暴走霊や悪戯妖怪の不正転載を防ぐ目的の同機能だが、思念波形のバグで台詞ごと『疑似失語』として機能してしまった。編集担当・赤塚レン(死神種・42)は「想定以上に対象範囲が拡大した。関係者一同、深く霊謝いたします」とコメントし、修正パッチの配布を来週中に約束した。

SNS『墓下ログ』上では、登場キャラのセリフを勝手に創作する『脳内補完リレー』が流行する一方、著者・戯咲ユーレイ氏(幽霊漫画家・没後1年)は「いつもなら“幽界コミケ”で読者のみなさんと直接語れるのに、電子化で記憶が少しずつ漏れていく気がして寂しい」と語り、紙版再発行を示唆。アニメオリジナル展開が今月から放送されることもあり、電子・紙書籍の今後のあり方が改めて議論されそうだ。

業界では、「霊的読みやすさ」と「著作権セキュリティ」のバランスをどう保つかが長年の課題。出版社連盟の妖怪部会幹部・呪口ミドリ(百目族)は「端末やユーザーの体質に合わせた没入型台詞表示を技術者と開発中」と話す。死後の読書体験が問われる中、幽界の漫画文化はますます新章に突入している。

コメント

  1. 何百年も愛読してる身としては、こういうバグは衝撃です!転生しても「少女吠える夜」は忘れたくないので、はやく修正パッチをお願いしたいです。

  2. 最近の電子化は便利だけど、墨塗り状態はちょっとノスタルジックで笑えるな。幽界コミケの賑わいを思い出して懐かしくなったよ。やっぱり紙が一番かな?

  3. うちのコワモテReaderも文字化けひどかったです。台詞が聞こえてこないなんて、成仏前の小さな楽しみを奪わないで―!

  4. また電子のバグかよ…どうせなら全キャラ幽界方言になっちゃうバグ見てみたい。まあ、不完全でも幽界らしさってことで許せる部分もあるけど。

  5. SNSの脳内補完リレー、超楽しい!むしろみんなの想像力で物語がどんどん増殖する感じが幽界っぽくて好き。編集さん、あまり気を落とさずに~。