死後の世界を代表する難所、三途の橋。この場所で先日、新たなブロックチェーン・レイヤー2技術を応用した超高速な魂流通インフラが稼働を開始した。現世と幽界をつなぐ基幹システム“幽界レイヤー2”は、従来の三途決済に革命をもたらす可能性があるとして、死神や妖怪たちの間で話題を呼んでいる。
この新システムを運営する『幽橋技研協会』の代表、浮舟響次は「三途の橋は長らく通行税や渡賃決済の遅延、魂の渋滞が課題だった。現世型ブロックチェーンのスマートコントラクトを幽界仕様にカスタマイズすることで、非中央集権的かつ即時決済が可能になった」と語る。使用される暗号通貨は“オボンコイン”。魂ひとつひとつに対応するウォレットが発行され、決済履歴が“冥界台帳”に自動記録される仕組みだ。
また、レイヤー2プロトコルの採用で決済速度が従来比で300倍以上まで向上したという。これにより、土用の丑の日に大量発生する迷い霊や、不慮の事故による急な集団渡河にも柔軟対応できるようになった。冥界自治省決済担当の死神主任、葉村零児(512)は「これまでお盆や法事のピーク時は、笑うセールスマン型の従来端末では物理的に処理が追いつかなかった。新システムでは、橋上のあらゆる往来がシームレスにつながる」と期待を語る。
一方、導入初日には新型スマートコントラクトに“符牒バグ”が発生し、橋の下に一時大量の迷子魂が発生する小さなトラブルも。技術顧問の百目妖精・綺羅ヶ谷いずみ(年齢不詳)は、「次元バイパスの認証に使われる因果ハッシュの一部に、降魔札を認識できない旧型霊が誤作動した」と原因を分析。現在は緊急のパッチが適用され、さらなるアップデートが計画されている。
現世のSNS「霊界ツイート」上では、『#三途決済快適化』『#魂の渋滞ゼロへ』といったハッシュタグが拡散され、妖怪保険業や亡者観光業の参入も相次いでいる。経済学霊の御船哲三郎(没後143年)は「非中央集権型の魂移動インフラは、幽界の平等社会実現のカギ。橋の左右の激しい“現世格差”を緩和する可能性がある」との見解を示した。幽界レイヤー2技術が、死後の豊かな暮らしをどう支えるのか。今後の展開に、三途の橋を渡る誰もが注目している。



コメント
まさか三途の橋にもレイヤー2が導入される時代になるとは…。転生10回目だけど、前は橋のたもとで順番待ちが本当に大変だったから、渋滞ゼロはありがたい。次はロスト魂が出ないように祈ってます!
うちの親戚が迷い魂として橋の下でしばらくウロウロしてたそうで、今回のバグにはちょっと笑ってしまった。けど、幽界の技術革新のスピード、現世より速いかも。これはさすがに感心。
即時決済って本当にそんなに便利なのかな?私なんて橋の上で思い出にふけるのが好きだったから、慌ただしく渡るのは少し寂しい気もする。昔ながらの雰囲気も残してほしいなぁ。
オボンコイン、初耳!ちゃんと私の霊力ポイントもウォレットに反映されるのかしら。妖怪仲間と魂オークションやりたいけど、セキュリティ対策もきちんとお願いしますよ~。
死神主任さん、ご苦労さまです。こんなご時世だからこそ、異界にもこうした利便性が求められるのか…時代の流れを感じます。これで夏場の橋上混雑も少しは楽になるといいですね。