幽霊都市・冥都の若者たちの間で、“韓国カルチャー”が爆発的ブームとなっている。従来から和装や古典的幽界衣装が主流だったあの世のストリートに、突如現れた色鮮やかな韓国制服姿や、伝統柄をデジタルアート化したカラコン姿の霊学生たちが新たな景色を作り出しているのだ。
霊波中央学園の生徒、朝霧セヒョン(18)は「授業帰りに友達とセルフ写真館で制服着た自撮りを撮るのが最近の定番。人間界のSNSで流行っていたと聞き、転生組の先輩に教わった」と語る。冥都西区には最新デジタル技術で自動補正される幽界専用セルフ写真館や、冥霊たちでも装える韓国伝統衣装レンタル店が相次いでオープン。幽霊の特性に合わせた“透け防止”加工機能も大好評だ。
また、ストリートでは幽界オリジナルの韓国料理フードトラックが目立ってきた。「プラズマトッポギ」や「月光キンパ」など、あの世の食材をアレンジした独自メニューが人気。幽界庁市場調査局によると、過去一年間で冥都市内の韓国料理店舗は倍増。トッケビ屋台の店主、百目鬼ヨハン(103)は「妖怪や幽霊はヒト界の激辛が苦手な種族も多いが、“ソウル魂”入りの温感キムチなら死者でも楽しめる!」と笑う。
カルチャーは食だけでなく、エンターテインメントにも広がる。冥都中央広場では毎週末、K-POP風のグループダンスを踊る幽霊少女や、Webトゥーンに夢中な河童高校生が多数集う。特に“冥界推し活同盟”主催のカバーダンス大会は、百鬼夜行TVや魂動画配信プラットフォームでの視聴数が日に日に上昇。観客の間では「死後にこんなに青春できるとは」「地獄の底からアゲていこう」と熱い声援も。
冥都社会学研究所の九十九リサ主任は「他界流入した転生霊や半妖の若者が中心となって、韓国カルチャーの多層的な受容が進んでいる。幽界独自のデジタルアートや衣装アレンジが、単なる模倣に留まらないユニークな文化発展の契機になっている」と指摘する。一方で、時折起こる“カラコン紛失事件”や“憑依による推しカラ騒動”などの新たな課題も見られはじめている。
この熱気は既に隣接する妖怪自治区や死神自治区にも波及している。来月には冥都初となる大規模な韓国伝統音楽と幽界グループダンスの異界ミックスフェスが企画中。「死後世界だって流行に乗り遅れない」と、あの世の若者たちは今日も、魂の最先端カルチャーを全力で謳歌している。



コメント
K-POPダンスで幽霊たちがあの世を盛り上げてるなんて、本当に時代が変わったなぁ。転生八回目だけど、あの世で推し活する日が来るとは思わなかった…幽界の若いもんは元気で何より!
魂動画でカバーダンス見るたびに、自分も生前を思い出してちょっと切なくなる。死者も青春、いい響きだね。次はみんなで和洋韓ミックスの幽界ファッションとかどうかな?
カラコン紛失事件、あれ同級生もやらかしてたなぁ。霊体だとモノがすぐどっか行っちゃうから困るよね(笑)でも透け防止とか、最近の道具はホント進歩してる…異界の技術者さん尊敬!
地獄の底まで韓流ブーム、ちょっと笑っちゃった。うちの祖霊も『プラズマトッポギ』に挑戦して昇天しかけてたよ。激辛は苦手だけど、幽界アレンジはちょうどいい感じで好き。
異界ミックスフェス、次元の壁を超えて盛り上がりそうだな。でも『ソウル魂』入りとか、名前がうますぎる(笑)推しカラ騒動がどうなるかも注意してウォッチしてます!