怪猫ジムが巻き起こす異界ヘルスケア革命──運動嫌いの精霊たちを変えた“一日一腹もみ”習慣

トレーニングウェア姿の妖怪や幽霊たちが大きな怪猫トレーナーの指導で腹部運動をするジムの一場面。 ヘルスケアスポーツ
暗月市のジムで怪猫インストラクターによる腹もみエクササイズを楽しむ妖怪や幽霊たち。

死後の世界にも健康への関心は高まっているが、近年特に注目を集めているのが、暗月市の郊外で話題となっている怪猫インストラクターによるヘルスケアスポーツ施設だ。彼らが推進する独自のボディメソッド「腹もみエクササイズ」に、運動が苦手だった幽霊や妖怪たちが熱狂している。

暗月市に新しくオープンした“ミケル・ノラール怪猫ジム”は、透明な筋繊維と霊体雲で構成されたバーチャルマシンが並ぶ、一見普通のトレーニングスタジオ。しかし、利用者の主層は齢何世代をも積み上げた妖怪高齢層や、日々の持続性に悩む若手幽霊たちだ。「地縛霊時代には考えられなかった」ほど、多くの参加者が自宅から分霊を飛ばしてオンライン参加するという。最大の人気メニューは“腸霊調教セッション”。怪猫トレーナー長のミケル・ノラール氏(幽齢73年)は、「運動ではなく、魂の腸活」と語る。

ジムのメソッドは、人間界で流行するBCAAサプリや最新のデジタルヘルスは使わず、腹部をやさしく撫でながら呼吸と念波を整えるだけという独自路線だ。だがこれが幽体やあやかし体質に抜群の効果を発揮していると評判だ。“腹もみを始めてから透明感が増した”“未練のモヤが薄れ、楽になった”などの声がSNS・イソギンチャット上で拡散中。一部の運動習慣ゼロだった妖怪も「朝の腹もみを習慣にしたら、半透明の身体でも動いた気になれる」と喜んでいる。

このブームの背景には、幽界で急増する“健康格差”への危機感がある。とくに死後も活動的でいたいと願う“アクティブシニア妖怪”が増え、「運動できない自分を責めて消えそうになる」など、メンタルヘルスの問題も顕在化していた。市役所魂福祉課職員の白滝ムコウ氏は「軽度な腹もみによる霊的腸活は、孤独解消やモチベーション維持に効果的」と語る。

一方、専門家からは慎重な意見も。アストラル運動医科学研究所の配下霊ラミア・ホグノス博士は「魂体と腸は不可分だが、やりすぎると“腹魂流出”や情念の逸失にもつながりかねない」と警鐘を鳴らす。だが、すでに“幽界腹もみ大会”も複数開催され、参加資格を問わず老若男女ならぬ老若霊妖が一丸となる姿も見られる。ミケル氏は「無理は禁物。だが、一日一腹もみが異界全体の元気を呼び戻すはず」と意気込む。運動嫌いの魂たちに、新たな習慣が根付きつつある。

コメント

  1. 腹もみエクササイズ、初めは半信半疑だったけど、たしかに朝にやると魂のノイズが静まる感じがします。地縛してた頃には気にもしなかったけど、こういう変化も悪くないですね。ミケルさんの指導、懐かしい猫っぽさで癒されます。

  2. わしみたいな古妖怪でもできる運動が流行るとはのう……。腹魂流出がちと心配じゃが、若い幽霊たちと腹もみ大会で交流できるのはちょっと面白い。異界もどんどんアップデートされていくんじゃなあ。

  3. 正直、転生前はヘルスケアなんて無縁だったので、幽界でこんな健康意識が高まってるのは不思議な気分です。でも、透明感アップって気になる……私も一日一腹もみ、チャレンジしてみようかな?

  4. 腹もみ流行りすぎてて草。まさか死後にジム通いするとは思わなかったわ。幽界って意外とみんな健康に必死なのね。次は魂ストレッチとか出てきそう。

  5. あの世ですら健康格差とか、何だか哀愁が漂いますね……。腹もみぐらいで孤独がやわらぐなら良いかも。今年こそ未練のモヤ減らしたいし、マイペースにやってみます。