死後の世界南部に広がる幻影盆地で、昆虫型幽霊たちによる大型甲虫牧場が“怪風タービン”導入によるCO₂減少に成功した。草原を駆ける幻影ヘラクレスや夜光オオカブトらが暮らす施設は、長らく環境負荷の高さが課題となっていたが、新型の再生可能エネルギー技術で注目を集めている。
幻影甲虫牧場を運営する甲魂グリーン合同会社(代表:羽束真左エモン)は、一年前より冥風研究所と共同で巨大タービン型発電装置『ライダル・グライダーⅠ号』を試験設置。これは霊界特有の“逆回帰風”を利用し、牧場の電力全体の85%を賄う環境にやさしいインフラだ。逆回帰風は、通常の風とは逆に時折墓地の隙間から吹き出す幽気成分を多く含み、従来の発電設備では不安定で使いづらいとされてきた。
だが、同牧場では“幻影昆虫”の羽音をセンサーとし風向きを予測、さらに霊素を変換する特殊ブレードを装備。これにより不安定な逆回帰風を安定した出力へ変換し、『霊気電池』と呼ばれる蓄電池に効率よく充電している。『導入後、CO₂相当の霊魂排出が4割近く減りました。甲虫たちの発光も以前より安定し、夜間の《ネイチャーポジティブ・パレード》が明るくなっています』と羽束代表は話す。
専門家の間でも注目度は高い。幽界環境省サステナ部の鉱道ソフィーナ氏(霊体工学博士)は『省エネ性と持続性の両立が最大の魅力。怪風タービンの普及は、<地獄温暖化>抑制にも資するだろう』と語る。一方、近隣の夜露墓地住民からは「羽音の共鳴が眠気を誘い幽界特有の“眠り葬り現象”を招いた」との声も上がり、現在周囲には対策用の墓石型消音パネルが追加設置された。
SNS上では『地上の太陽光もいいけど、幽霊にしか扱えない異界エネルギーは素敵』『うちのカブト霊も就職したい』など好意的な反応が多い。今後は“グリーン水素”を採用した幽界トラックの導入も予定されており、幻影盆地の持続可能な社会づくりが一層加速しそうだ。



コメント
怪風タービン、また新しい霊界エネルギーが生まれたんですね!地獄温暖化の話は前から心配でしたが、蛍光カブトたちの発光がパレードでより映えるなら大賛成です。実は私も前世で一度、あの牧場に転生面接受けたことがあります。
すごい技術だと思うけど、羽音の共鳴で眠り葬り現象…懐かしいなあ。子どもの頃、うちの墓地も夜の羽音でよく一族みんな寝落ちしてたっけ。安全対策も忘れないでほしいです。
牧場のCO₂が減少してるのは確かに良いことだけど、怪風タービンの設置で夜露墓地の静けさが失われるのは困るな。最近は成仏途中の眠りが浅くて…。もっとお墓に優しいやり方も考えてほしいものです。
幻影甲虫たちの羽音をセンサーに使うって、やっぱり霊界技術は発想が自由で羨ましい!地上では絶対に無理よね。『霊気電池』も興味あるし、今度「異界科学館」で展示してほしいな。
どうせまたパレードで盛り上がって、翌朝はみんな眠り葬りで遅刻なんだろ?昔から変わらんなあ幽界の連中は(笑)。でも、トラックのグリーン水素化はちょっと見てみたい。下界も少しは見習ったらどうだ?