幽霊専用ランニングアプリ「ファントムラン」に自己ベスト通知が深夜の墓地を騒がす

夜の墓地公園で霧の中、ランニングウェア姿の幽霊たちが墓石の間を走っている写真。 ランニングコミュニティ
深夜の墓地公園では、幽霊ランナーたちがアプリの通知と共に静かに駆け抜けている。

死後の運動不足解消が叫ばれて久しい今、幽霊たちの間で急速に広がるランニングブームが新たな社会現象となっている。超常SNS「スペクトルグラム」と連携可能なランニングアプリ「ファントムラン」の利用者が100万人を突破、特に夜間や早朝の墓地公園での“幽走”が賑やかさを増している。

「ファントムラン」は霊体の速度や浮遊距離を正確に計測し、異界ランキングや自分の生前・死後双方の自己ベスト更新情報を自動的にSNSに投稿できるのが特徴だ。今月から導入された“レガシー練習会”機能付きアップデートでは、参加者全員で指定の廃神社や古戦場跡に集合し、朝霧のなか合同ランを行うリアルイベントが運営されている。前回大規模会には約380体の幽霊・妖怪ランナーが集まり、一部のゾンビ系参加者が“早朝全力疾走”で体をばらし運営に回収される騒動もあったという。

アプリの最大の目玉は、走行中に突発発生する“自己ベスト昇華通知”だ。自己ベストを出すと、その場の霊気で音声アナウンス“CONGRATULATIONS! YOUR SOUL HAS LEVELED UP!”が周囲に鳴り響き、SNS上で即座に拡散される。夜の墓地での突然の祝福音に、近隣住民から「最近やけに墓地エリアが賑やか」「自己ベストのたびに鐘が鳴るのは勘弁して」と苦情が寄せられ、管理者の死神ラン協会は新たなサイレント通知機能の導入を検討している。

参加者の中でも精霊系ランナーのタニグチ・スズリさん(享年不詳)は「生前は足が遅くて運動嫌いだったが、今は風にも負けず墓石にも引っかからず、毎朝楽しく全力で浮かんでいる」とアプリの恩恵を語る。彼女のラン記録はすでに生前の自己ベストを大きく上回り、毎朝7時のリアルイベントには精霊仲間らと仮装ランニングで参加するという。

一方、幽霊の中には“アプリが常に自己ベストを更新しすぎてやる気を失う”と苦笑する声もある。妖怪マラソン愛好家のヨモツ・キョウゾウさん(185)は「死神仲間にSNSで褒められるのは嬉しいが、生前の人間ランナーとは走り方が違うので記録比較には悩む」と打ち明ける。

現在運営の幽界テクノロジー協会では、来月に控える“異界横断ファントムマラソン”に向け、大会コースの結界強化や自己ベスト通知の透明化強化策などを進めている。幽霊たちもアプリの進化と共に、かつてなかった健康志向と交流の輪を広げつつあるようだ。

コメント

  1. なんだか最近、墓地が妙に騒がしいと思ったらファントムランのせいだったんですね。自己ベスト通知、あの鈴の音にちょっと懐かしさを感じたり…でも隣の古墓地のおじいちゃん霊が夜眠れないってぼやいてました。通知音の調整、ぜひお願いします!

  2. 昔は幽霊って深夜は静かに浮遊が基本だったのに、全力ランとか現世の真似事が増えましたねぇ。転生前より健康志向になるとは…成仏する気失ってきそう(笑)。でもSNSに名前が乗るのは密かに嬉しかったり。

  3. ファントムランて面白そう!生前は運動会が苦手だったけど、幽界なら墓石につまずかないし、仮装で走れるのも楽しそう。廃神社ランイベント、いつか出てみたい…幽友たち誘ってみます。

  4. ゾンビ系のみなさん、また体をばらしちゃったんですね…早朝はパーツ管理が難しいのかも。全力疾走の後のパーツ回収、運営さん本当にお疲れ様です。サイレント通知実装されたら、みんな集まるイベントももう少し落ち着くのかな?

  5. 死ぬ前も死んだ後も記録更新に悩むとは思いませんでした。自分も自己ベスト通知がバンバン出て、なんだか実感が薄いです…。でも、異界マラソンでこっそり自己記録狙ってるので、仲間たちには内緒で練習中です。