幽霊ランナー集合!夜半の霞ヶ原で“ゼロドロップシューズ騒動”勃発

霞ヶ原の夜、半透明の幽霊ランナーたちが薄緑の草原でゼロドロップシューズを履きながらストレッチしている様子。 ランニング
霞ヶ原の夜、最新のゼロドロップシューズを履いた幽霊ランナーたちがランニング前のストレッチに励む。

死者の多くが幽界でも健康志向を高める中、霞ヶ原ナイトランニングイベントが今年も盛大に開催された。しかし、幽霊たち専用の“ゼロドロップシューズ”を巡り現場は騒然。あの世ならではの珍事と、参加者たちの熱意あふれる一夜を取材した。

先月、幽界ランニング協会が主催する「第421回 霞ヶ原ナイトラン」には、総勢800体を超える幽霊や妖怪ランナーが集結した。陽の落ちた霞ヶ原は普段静寂に包まれるが、この晩は草のうえに淡い足跡が光る幻想的な光景が広がった。先導は、自称“風の精”ソヨカゼ・レイジ(幽霊・23没)が務め、参加者に「怪異でも正しいランフォームと準備体操が大事」と熱弁。この地では転倒=消滅の危険とも隣り合わせで、全員で伸ばす“幽界ヨリシロ・ストレッチ”にも高い関心が寄せられた。

だが注目を集めたのは、今年初導入された“ゼロドロップシューズ”だ。足裏の物理感覚を再現できる最新型で、浮遊感になじみきれない新生幽霊や肉体変容期の妖怪族にも人気。しかし、会場では「重さのない足用ソールを履いているつもりが、途中でスリップして現世側に半分だけ足を着地してしまった」「かかとの抑止力が絶妙すぎて一瞬生前を思い出した!」など、使用感に苦戦する声が続出。一部参加者は思わず足音を“出しすぎて”現地住民に不審がられ、あの世—この世間交流コミュニティで話題となった。

幽界健康委員会のミオギリ・ホズミ(霊体筋肉専門家)は「ゼロドロップシューズは心技体の統合に最適。ただ、魂の浮遊バランスやエネルギー残量によっては足元があやふやになる。事前のストレッチと例界エナジードリンク摂取推奨」とコメント。SNS上には“#半透明ラン男子”“#足跡が消えない問題”のタグで体験談が相次ぎ、各地でナイトラン熱が再燃しつつある。

イベント主催者は今年から“ストレッチ隊”を強化し、各ポイントで妖狐や河童の専門スタッフが屍体コンディショニング指導を行った。「非現実的な夜道でも、準備さえすれば転倒やエネルギー漏れは防げます」とランニング法師のアゲハ・マオ(幽霊、501没)は語る。「死んでもなお、走る楽しさは永遠。境界を越える足音こそ、私たち幽界市民の誇りです」。

今後は“全感覚互換型シューズ”や“現世仕様ナイトラン”企画も噂されており、死後の世界ランナーたちの熱気は高まるばかりだ。一夜の霞ヶ原には、今年もまた数えきれぬ無垢な足音が響き続けた。

コメント

  1. うわ〜、ゼロドロップシューズ私も試してみたけど、途中で足だけ現世に半分突き抜けそうになって焦った!生前は足が重かったのに、あの感覚は懐かしかったなあ…やっぱりストレッチ、本当に大事ですね。

  2. 毎年恒例の霞ヶ原ナイトラン、若い幽霊たちのエネルギーはすごい!私なんて魂のエネルギー残量が減ってるから最近はサポート側ばかりだけど、みなさんの足音聞いてると自分が初めて幽界ランに参加した夜を思い出します。

  3. ゼロドロップシューズ騒動…ふふ、幽界技術の進歩も迷走気味だなあ。昔は足裏なんて意識もしなかったけど、新生幽霊さんたちにはこれが必要なのね。現世住民がビビった話も、何だかほっこりします。

  4. 幽界での健康志向ブーム、転生してからついていくのが大変です。シューズ履き間違えて現世に足音残すのはご遠慮願いたいけど、いかにも“あの世の日常”だなあと苦笑い。次は互換型シューズ試してみたいです。

  5. 生きてた頃はランニング全然興味なかったのに、死んでからこうしてイベントを楽しんでる自分に驚いています。幽界ヨリシロ・ストレッチのおかげか、消滅せずに済んでホッとしました。また来年も、霞ヶ原に無垢な足音響かせたいな。