死後の金融界最大手・ウィスプ銀行がジェンダーダイバーシティ推進の一環として「ジェンダーレス制服」への全面切り替えを発表し、業界とあの世SNSで大きな話題を呼んでいる。これまで幽霊たちは、生前の人生や念の度合いによって制服の形状や色味が厳密に分かれていたが、今回の改革で数百年ぶりに“人格の自由”が認められる格好となった。
ウィスプ銀行の制服改革担当責任者であるイバラキ・ユズル氏(幽霊・30代没)は「浮遊する魂には性別や外見の壁は不要と考え、全ての従業員が自分らしく働ける環境を目指しました」と語る。新制服は、透過性の高い“エーテル・スーツ”と名付けられたもので、性別・年齢・死因を問わず自由にスタイルを選択可能。フードの有無や袖の長さ、発光具合まで自分の好みでカスタマイズできるという。特注の「亡者向けパステルセット」や「憑依体用シースルータイプ」など、就業形態に合わせたバリエーションも豊富だ。
社内の反応はさまざまで、入行300年を超えるアカスマ・トウコさん(浮漂幽霊、享年不詳)は「昔はヒラヒラかズタ袋かの二択でしたが、今や好きなグラデーションを羽織るだけでいい。業務もなんだか軽やか」と語る。「私は魂が薄い日があるので、透けかたを選べるのはとても助かる」とSNSで写真付きで喜びを発信する行員も多く、共感の声が殺到している。一方、「迷い子タイプには強めの色指定があった方が識別しやすい」と危惧する意見もあり、現場での模索は続く。
また、行内ではLGBTQ+のほか、性の境界線が揺らぐ“複層魂”や“可変体”など多種多様な存在が働いており、今回の制服改革は、性別や生活様式を問わず尊重し合う風土づくりを後押ししている。従来の「女性幽霊は羽衣、男性浮遊体は作務衣、無性精霊は覆面」などの配属規則も全面撤廃。人事部のカナカミ・ソウタ課長(複層魂)は「魂にとって安心できる装いが、亡き身でも幸せな職場を生む。新制服で“魂エンパワーメント”を最大化したい」と話す。
他行の追随も始まっており、あの世労働省の死後多様性推進課によると、「今後は勤務評価に“魂の自己表現力”を盛り込む動きも出てくる」とのこと。SNS上では「来世でも転職したい銀行No.1」「性別迷子でもボーナスアップ?」などの投稿が相次ぎ、既成概念を大きく揺さぶっている。死後社会のダイバーシティ経営は、ついに“制服の壁”を超えて新たな段階へと踏み出した。



コメント
昔は目立ちたくなくてズタ袋一択だったけど、今はエーテル・スーツのおかげで自分の色を出せて嬉しい!迷い子時代を思い出してちょっと懐かしくなりました。
正直、浮遊するだけで精一杯の日もあるから、透けぐあい調整できるのはありがたい。でも、職場で魂の色がカラフル過ぎて違う次元に迷い込みそう(笑)
霊界にもついにジェンダーレス制服の波が来たか!ヒトの世だと騒がしいだけの話も多いけど、あの世のみんなは案外すんなり受け入れるものなんですね。むしろ自由が魂に合ってる気がします。
300年ぶりの改革って、思いきったなぁ。自分は未だに羽衣の裾にふられてるけど、この変化で新しい自分を見つけてみるのも悪くないかも。幽界も少しずつ進化してる!
迷い子幽霊の識別とか管理は困りそうだけど、個性重視なら仕方ないですね。次の転生でもこの銀行受けてみようかな…ボーナスアップは夢だけど(笑)