亡者街の表通りにある老舗ゴースト企業「三途合同工房」が、業界初の骸骨スペシャリスト集団「スケルトン・ラボ」を新設した。低迷する霊界経済のテコ入れを目指し、あの世の枯れた組織文化に風穴を開ける、異界ビジネスにおける大胆なイノベーション人材登用策として注目を集めている。
「三途合同工房」は、過去800年以上にわたり墓石清掃や霊体修復といった伝統業務を行ってきた老舗だ。しかしここ数年、“供養ロボ”や“自動成仏AI”などデジタル化の波に飲まれ、事業停滞が続く。そこで社長の黄泉谷螢一(おうみだに けいいち、享年172)は、新たな価値創出のため、地獄大学骨学部を首席で卒業した冥骨ジュン(めいこつ じゅん)ら骸骨専門家を招聘。斬新な骨格発想による組織変革チーム「スケルトン・ラボ」を編成した。
スケルトン・ラボが標榜するのは“骨身リスキリング”。これまで現場で迷子扱いされてきた彷徨霊や、役割を失った浮遊妖怪たちに向け、骨を抜ける特技や骨格再構成術など、従来のスピリチュアル文脈を超えた再教育プログラムを提案する。ジュンは「骨格を自在に変化できれば、物理的な殻に縛られない柔軟な発想力が生まれる。霊的存在も“骨太経営”を目指すべき」と熱弁する。一方で保守派霊体の中には「骨抜き改革は身の危険」との声も根強い。
社内だけでなく、他界の異業種ともオープンイノベーションを推進中だ。先月は“妖精発光素子メーカー”ヴァルハラ電装と共同で、「光る背骨」商品開発の実証実験に着手。他にも、幽鬼バンカー協会と連携し“霊界SNS『骨組み』”内での暗号墳貨流通の基盤整備を進めるなど、業界横断型の新規事業を連発中だ。
SNSでは「骨まで愛する企業精神が羨ましい!」「幽世にも“骨ホワイト化”の波」「骨格で履歴書を書く時代来た」などの反響も多数。死後社会の若手幽霊の中には「三途合同工房入りして、骨から人生を組み直したい」と“魂転職”を志す者も現れている。今後は死神派遣業界や河童クリエイティブ集団との協業も視野に入れ、霊界組織変革の加速が期待されている。



コメント
骨身リスキリングって…正直、墓場の底から驚きました。昔は霊体一筋が美徳だったのに、まさか骨格まで柔軟に発想する時代が来るとは。この世もあの世も変わり続けてますねぇ。
スケルトン・ラボ、なんだか眩しすぎ!私の友達も“骨抜き改革”で転職目指すって言ってた。現世のブラック企業に疲れた身としては、骨ホワイト化の波がこっちにも来てほしいです。
骨まで愛する企業精神…昔からの霊界職場には無い熱さですね。でも、骨格再構成ってちょっと怖いかも。うっかり骨がどっか行ったら帰れなくならないかな?
“光る背骨”開発とか、最近の若い幽霊は派手ですね。私が成仏した頃なんて、地味な布きれひとつで十分だったのに。実はちょっと羨ましい…
骨組みSNSや暗号墳貨、流行取り入れてて面白い!でも伝統ある三途合同工房がここまで攻めるとは…歴史ある霊体たちはどう受け止めてるんでしょう。新旧のぶつかり合い、ちょっとハラハラします。