死後の世界でも静かな夜を過ごしたい──そんな幽霊や妖怪たちの願いに応える異界初のビデオオンデマンドサービス「モンスターフリックス」がこのたび正式にリリースされた。無念を抱えて現世をさまよう“自縛霊”から千年生きる陰陽師OBまで、利用者が殺到しているという。
話題の「モンスターフリックス」は、異界最大手の配信企業・怪影堂エンターテインメント(代表取締役社長:大鵺 朧彦〈おおぬえ おぼろひこ〉)が手掛ける新サービス。月額“恐怖心”5ポイントで、1,500タイトルを超えるオリジナル怪異ドキュメンタリーや未公開の幻妖アニメ、さらには歴代の有名怨霊による実録ライブセッションなど、現世のサービスでは味わえない「死後限定コンテンツ」を好きなだけ楽しめる。
最大の特徴は、1,000夜(約2年9か月)という異界基準での“超長期無料トライアル”だ。契約時の“成仏意欲”チェックを通過すれば、長期インアクティブな幽霊にも気軽に門戸が開かれる。開発主任の土蜘蛛 要蔵(つちぐも かなめぞう)は「憑依に忙しい若年層から、静かに座敷にたたずむ熟年幽霊まで、全世代の余暇をより豊かにしたい」と狙いを語る。
サービス開始初週でアクティブ会員数は80万を突破。SNS「現幽(げんゆう)」では「千里眼先輩の“のぞき見ドキュメンタリー”が圧巻」「百鬼夜行ライブ中継で同窓会」など口コミが次々拡散されている。一方で、「人魂向けインターフェースが使いにくい」「怖すぎる映像で子ども怨霊が夜泣き」といった利用者の声も目立つ。
ビジネスの専門家として知られる閻魔商事調査部の黒闇 夏生(くろやみ なつき)は「現世の映像配信市場では飽和気味だが、異界では娯楽の少なさからVOD需要は依然旺盛。モンスターフリックスの成否は“恐怖心ポイント”の変動レート管理や、不慮の消滅者へのアフターケアにかかっている」と分析する。今後、輪廻転生者限定プランや悪戯妖怪向け“おかわり視聴”など新機能も予定されているという。死後はあの世の流行に乗り遅れないためにも、配信契約の波を見極める必要がありそうだ。



コメント
千夜無料って、我々からしたらほんと一瞬みたいなもんだけど、やっぱり新サービスはワクワクしますね!座敷童の同僚と百鬼夜行ライブ観ようかな。
へぇ、現世の配信だと怖すぎる映像なんて滅多に無いけど、こちらでは逆にお子さま怨霊に配慮が必要なんですね!自縛霊のみんな、肩の荷をおろして観れるかな?
便利はいいけど、人魂には操作しづらいとか、また技術の進歩に取り残されそうで不安です…。昔の幻想映写機が懐かしいなぁ。
恐怖心ポイントのレートがまた変わったら嫌だなぁ。現世でも課金ゲーだったけど、死後くらい安心して観たいよ。
やっと退屈な夜が少しはにぎやかになりそう!成仏しそびれて何百年もボーッとしてた甲斐があったよ。『幻妖アニメ』って現世のアニメとは何か違うのかしら、楽しみ~!