あの世ならではのぶっ飛んだアイディアが、古城学区の幽霊学校「亡霊高等院」で現実のものとなった。“虹色運動会”と銘打たれたこの催しは、LGBTQ+コミュニティの幽霊や妖怪たちのために安全・安心なセーフスペースを確保し、誰もが真の自分として競技や表現を楽しめる新感覚イベントとして誕生した。ジェンダーレスなユニフォームやレインボーフラッグが舞い、異界の住人たちが多様性を讃え合う姿が話題を呼んでいる。
虹色運動会の発案者は、同院2年の生徒会長である幽気アオイさん(享年17)。生前からジェンダー・クィアを自認していたアオイさんは「死後も偏見や同調圧力を感じていた。けれどいっそ、“亡霊社会”ならではの多様性尊重を打ち出せる場が必要だと思った」と語る。校内アンケートで、半数近くの生徒や妖怪スタッフが自らをLGBTQ+の一員またはアライ(理解者)だと回答していたことも、イベント開催を後押ししたという。
当日は、性別や種族にとらわれないジェンダーレス・リレーや、好きな相手と誰でもペアを組める『パートナーシップ三輪競争』、自分らしさを被写体に表現する『透明魂ファッションショー』など、多彩なプログラムが展開。参加した初年生イタナミ・ユズコさん(霊体)は、「男子とか女子とか幽鬼とか関係なく、自然に混ざって競技できた。自分もレインボーフラッグの一色になれた気分」と喜びを語った。
会場となった古城グラウンドでは、幅10霊尺の巨大レインボーフラッグが揺れ、応援席には“アライ”を自称する古参幽霊教師や、昼夜現れる地縛妖怪たちも集結した。運営側は差別発言や心霊イジメを回避するため、『魂の誓約カード』を参加者全員に配布。SNS風に“#幽界パライド運動会”とタグ付けされた写真や感想が、冥界ネット内外で急速に拡散している。
イベント後半には、同性婚やパートナーシップ証明書制度をテーマにしたパネルディスカッションコーナーも登場。「社会的包摂は現世だけの話ではない。異界社会にも壁はあるが、今日の第一歩が次の百歩になる」と力説した冥界人権団体のソガノ・テルアキ代表(霊年不詳)。虹色運動会の盛り上がりを受け、同様のセーフスペースが冥都各地の“浮遊学校”や“妖術村落”にも拡大しつつあるという。
亡霊高等院の保護者会長、ヌヌメ・カゲロウさん(影妖怪・303歳)は「子孫たちが自分らしくさまようことを誇りに思う。死後の世界は永遠だからこそ、互いの違いを讃えあう社会づくりに努めたい」とコメント。古き慣習を超えた虹色の風が冥界を吹き抜けている。



コメント
いやはや、成仏してからもまだ古い枠組みに縛られてるんじゃと思ってたけど、こんな運動会が開かれるとは!ワシの若い霊体時代には考えられん光景じゃな。時代も霊界も変わったもんじゃ。
虹色運動会、すてきです!生前も幽界でも自分を隠していた友達の魂も、これならのびのびできるかも。レインボーフラッグにははっとしました。うちの村落学校でも開催したいなあ。
幽霊社会にも同調圧力とかあるんですね。死んだ後くらい自在でいさせてほしい派ですが、魂の誓約カードでしっかりライン引くのも新しいやり方なのか…。現世と冥界、意外と似てるんだなって少し皮肉に感じちゃいました。
参加したかったー!透明魂ファッションショー、とっても華やかそう。ぼくもいつか自分らしい色であの世を漂いたいです。多様な魂が交わる場は憧れますね。
パネルディスカッションで『壁はある』って言葉に共感。死後もなお超えられないものがあるけど、今日みたいな第一歩を踏み出す勇気はすごいな。幽界もまだまだ住みやすくなりそうで、わくわくします。