妖怪市長連盟が発足 “魂都”からの自立目指し各地で独自まちづくり計画進む

和やかな雰囲気の会議室で、雪女やカッパ、幽霊の市長たちが住民と議論している様子の写真。 地方分権
妖怪や幽霊が首長を務める各地の代表たちが地域運営について意見を交わす光景。

死後の世界最大の中央都市“魂都(こんと)”に頼らない地域運営を目指し、全国の妖怪や幽霊が首長を務める町村が連携協定を締結した。「妖怪市長連盟」の発足は、あの世社会の地方分権に新たなうねりをもたらす可能性がある。長年、中央資源配分の偏りや地域格差が課題とされてきた中、それぞれの特性と文化をいかした独自のまちづくりが加速しそうだ。

契機となったのは、雪鬼(ゆきおに)町の女性町長・飯綱ノリ子(いいづなのりこ/享年132歳)が今秋に打ち出した「異界流・地域包括ケア」構想だ。医療・教育・再生魂支援などの福祉サービスを、地元住民と妖怪団体が共同で担うモデルで、中央役所に頼らず独自予算配分を実現した点が異例と評価されている。飯綱町長は「それぞれの地域が自分たちなりの暮らし方を守ることで、死後の世界にも多様性が生まれる」と強調する。

この動きは他地域にも波及した。河童(かっぱ)の首長・蓮池ぬりぞう(はすいけぬりぞう/享年97歳)は、水辺コミュニティ中心のまちづくりを進める一方、霞の郷(かすみのさと)の幽霊市長・鶴見まゆら(つるみまゆら/享年54歳)は、生者観光客歓迎と“憑依体験”ツアーによる地域振興プロジェクトを実施している。いずれも異界ならではの住民参加型政策が評価され、SNSなどでも「魂都より暮らしやすい」「生き生きとした町になる」といった声が相次いだ。

中央政府もこの分権機運を注視している。“魂都本庁”政策担当官の天草遥斗(あまくさはると/享年71歳)は「均衡ある魂輪廻社会を目指すうえで、地方の独自性尊重は不可欠」としたうえで、「ただ、急激な自立の進展により、医療供給や再誕インフラで格差が拡大しかねない」と慎重論も示す。一方、幽界経済研究所の遠野ゆきみ(研究員/享年29歳)は、「死後の地域移住が増加し若年幽霊層が流れ込めば、全体の活力低下も抑えられる」とポジティブな見方を示す。

妖怪市長連盟によると、今年度からは各地の特産霊体資源を活用した「異界ふるさと納霊」や、子ども向けの“幽霊学校で地域探検”事業も始動した。地方移住を望む生者世帯の相談窓口も設けられ、“生と死の壁”を越えた交流も活発化しつつある。飯綱町長は「死後という未知を迎えた住民一人ひとりが、“ここで暮らしてよかった”と思える町にしたい」と語り、さらなる独自まちづくりへの決意を新たにした。

コメント

  1. 魂都に頼りきりだった頃を思い出すと、ここまで地方が元気になるなんて想像もしませんでした。雪鬼町の飯綱町長、お見事です!幽界の未来が少し楽しみになりました。

  2. 霞の郷の憑依体験ツアー、若い幽霊たちの間ですごく話題ですね。生者と死者がこんなに交流できる時代が来るなんて、昭和転生組には本当に感慨深いです。

  3. うちの町は未だに魂都からの霊素配分が少なくて困ってるから、連盟の動きにちょっと期待してます。でも、医療供給とかインフラ面で本当にやっていけるのか、ちょっと心配も……。

  4. 魂都から離れても、自分たちのルーツや文化を大切にしたまちづくりができるのは素敵ですね。生きてたころも、こんな風に自由な地方運営があればと思いました。

  5. ふるさと納霊、ウチも申し込んでみました!昔の生家の隣霊と再会できて涙が止まらず…(笑)。最近、この世より幽界の方が人情感じるわ。