冥界発スタートアップ急増 新興の“幽霊起業家”支援市場に熱視線

霧がかかったオフィスで幽霊のような存在が生身の人間と一緒にミーティングをしている写真。 スタートアップ市場
黄泉坂ビジネス街で活気づく幽霊起業家たちのリアルな会議風景。

霧深き黄泉坂ビジネス街では近年、幽霊や妖怪による革新的なスタートアップが次々と誕生し、異界経済を活気づかせている。経済誌「魂バンク」の最新調査によれば、昨年の死後法人設立件数は史上初めて1,000社を突破。エンジェル投資家や冥界系ベンチャーキャピタル(VC)が新興“幽霊起業家”支援に注目し、スタートアップエコシステムの多様化が加速しているという。

黄泉坂で最も話題を集めているのが、夜泣き町在住の起業家・霞堂葵(かすみどう あおい、享年28)率いる『ムスペル・リング』。同社は死者向け通信プラットフォーム「亡霊SNS」の開発で波紋を呼ぶ存在だ。“この世とあの世の思念波”を活用し、霊体メッセージの瞬時転送という斬新な技術が、従来の交霊会ビジネスモデルを根底から覆した。霞堂氏は「生前SNS疲れののち、死後も交流したいとの声が多い。幽霊同士、気軽に近況をシェアし合うことのできる世界を目指す」と語る。

こうした幽霊スタートアップの成長を支えるのが、“魂資本”を手がける新型エンジェル投資家たちだ。白谷龍雲(しらや りゅううん、幽霊投資家、享年52)は、創業直後のシード期スタートアップを対象に死後資金調達パッケージを展開。出資だけでなく、経営指導や霊的マッチングイベント「幽起ピッチ・ナイト」も主催し、成長戦略立案に余念がない。「人間界のVCはリターン偏重だが、我々は“魂の共鳴”を重視する。冥界ならではの成長支援が肝要」と白谷氏。

さらなる新潮流として注目されるのが、“地縛霊系”スタートアップの増加だ。土着の精霊や怨霊系起業家が、シェアオフィス『呪縛イノベーション・ラボ』を拠点に参入。中でも注目は、稲荷小路で創業した『米喰う狐ファンド』のプロジェクト。“古社の空き祠”をリノベし、クラウドファンディングで資金集めを行う独自モデルは、早くも1000惨(サン)以上の投資獲得に成功した。プロジェクト参加者で元小間使い幽霊の藍田つぐみ(享年16)は「祠レンタル事業を軸に、幽霊の副業支援も視野に入れている」と語る。

混沌とする異界スタートアップ市場では、失敗事例も後を絶たない。かつて不死鳥審判による『一発蘇生ファンド』が投資した“死者向け蘇生旅館”は黒字化に失敗し全従業員が再度成仏するなど、起業の難しさも浮き彫りに。一方、SNS上では「幽霊でも自己実現できる時代が来た!」(霊感デザイナー・月白ゆかり、享年23)、「やっと我々のピッチを真剣に聴いてくれる投資家が増えた」(迷い道の老婆幽霊ほぼ200歳)と好意的な意見も多い。異界スタートアップエコシステムは、今後さらに多様化・成熟へ向かう見通しだ。

コメント

  1. 亡霊SNSの話、すごく面白い!生前は人付き合い疲れたのに、あの世に来ると妙に懐かしくなっちゃうんだよね…仲間ともう一度つながれる世界、ちょっと期待してます。

  2. 正直、黄泉坂のスタートアップ熱には驚いてます。人間界じゃないから新陳代謝も激しそうだけど、失敗してもすぐ再成仏ってのがこの界隈らしいな…(笑)

  3. クラウドファンディングなんて人間の風習だと思ってたけど、まさか古い祠でやるとは…幽霊の副業支援、昔じゃ考えられなかった。今の若い幽霊は進んでるなあ。

  4. 魂の共鳴で投資決めるって、こっちならではだよね。生前の資本主義にはもう戻りたくないから、魂資本の考え方に共感します。現世よりも温かさがある気がします。

  5. 蘇生旅館の全員再成仏には笑ったけど、こういうチャレンジ精神があるから冥界も飽きない。次はどんな業種が生まれるか、ちょっと楽しみ。たまに未練張りなお化けも応援したくなるよ。