精霊投資組合が“樹霊カーボンコイン”発行 森の再生が異界経済を動かす

森の中の木製テーブルを囲み、樹木の文様が浮かぶ精霊たちがコイン状の物体やデジタル画面を見つめている様子の写真。 ソーシャルインパクト投資
森の再生をテーマに、精霊投資家たちが樹霊カーボンコインについて話し合う一場面。

死後の世界・北幽界特別自治区―経済界で新たな旋風を巻き起こしている精霊投資組合(代表:樫本カザミ)は、森の再生と社会的インパクトを同時に狙う独自のインパクト金融商品“樹霊カーボンコイン”を発表した。この未曽有の取り組みにより、異界経済におけるソーシャルインパクト投資の流れが大きく変わりつつある。

“樹霊カーボンコイン”は、あの世の森に棲む木霊や木花精から生態エネルギーを調達し、その森が吸収した霊的炭素量に応じて発行される仮想通貨型の金融商品だ。精霊投資組合の広報責任者である柳谷ヨウリ氏(304歳)は「死後社会特有の霊的二酸化魂素(CO3)を森がどれだけ固定したかを正確に計測し、それを貨幣価値に転換する仕組みです。これにより投資家は自身の投資によって森の回復や気候安定に直接貢献でき、配当も霊界通貨と実体的な森の資源配分の双方で受け取れます」と説明する。

この発表を受け、異界証券取引所は開場直後から異例の取引量を記録。特に樹木にまつわる一族を中心に人気が急上昇した。中洋屋敷地区で“葉隠れエネルジー”を経営する樹人投資家の栗橋ハツネ氏(自称・半樹半霊)は「樹霊カーボンコインは、単なる利益追及を超えた社会的インパクトが魅力。投下資本が森の再生や新たな棲家創造につながるのは、私たち木霊族にとって非常に意義深い」と語る。一方で水辺の精霊たちからは「森林再生ばかりが脚光を浴び、水辺生態系への配慮が軽視される懸念がある」と指摘も上がっている。

純金貨や霊界為替と異なり、樹霊カーボンコインは“ESGアクションスコア”を毎月公開している点も特徴。投資先森域の再生度合いや、そこに暮らす迷い幽霊・小妖精のウェルビーイング指数もスコア化される。監査役には死神ファーム・アンドゥリナ氏(身長2.1m、鎌の管理に定評)が据えられ、新たなトラブルや不正の芽を摘む役割を担う。松月経済霊界大学の九重ミヅハ教授(霊界経済学)は「このモデルは死後社会における持続可能な資本循環の象徴であり、あの世特有のサーキュラーエコノミーが現実のものとなる可能性を示唆している」と評価する。

SNS上でも『#樹霊カーボンコイン』や『#幽界ESG投資』のタグが急増し、若い霊や妖怪たちの間で自己実現の一形態として投資参加がブームに。“森の心臓”と呼ばれる大樹・幻霞林でも、コイン配当による精霊寄宿舎の新築が話題だ。今後は池沼連盟や灯籠町の鬼導師会も巻き込んだ多面的ソーシャルインパクト商品の開発も進む見通し。死後社会の再生と共生、その行方に注目が集まっている。

コメント

  1. 幽界に転生してから久々にワクワクしたニュース!森が元気になると、私たち霧族も安らげます。次は湖沼コインも期待したいな。

  2. 樹霊カーボンコインの値動き、ここ数百年で一番の盛り上がりでは?でも昔は魂の雫で取引してたことを思うと、時代も変わったよなあ…

  3. 興味深いけど、こういう新しい仕組みって本当に迷い幽霊たちの福祉につながってるの?表向きキラキラでも、どこか影がある気がして霊灯消せません。

  4. 樹族ばっかり得してる気がするなぁ。灯籠町の鬼導師会も参加したら少しは公平になるのか、成り行きを見守りたい。

  5. 幽界ESG投資…生前は聞いたことなかったのに、死んでからこういう世界に触れられるの、案外悪くないな。久しぶりに森を歩きたくなったよ。