鏡谷連盟、炭素価格導入で妖怪企業に波紋 “死霊産業”ゼロカーボン転換会議始まる

妖怪企業の幹部たちが会議室で真剣に議論している様子のリアルな写真。 ゼロカーボン経済
鏡谷連盟で開かれた炭素価格サミットの会議風景。

異界経済界で近年最も注目を集める、“ゼロカーボン経済”の波が鏡谷連盟にも本格上陸した。死後世界最大級の産業都市として知られる鏡谷(かがみたに)では、22日に連盟初の「炭素価格サミット」が開催され、妖怪系大手14社が一堂に会した。ここでは死霊・精霊労働者を多数雇用する企業や“あの世発電”関連の事業者が、炭素排出量に応じた新たな課税「冥界カーボン・タリフ」導入を巡って激論を交わした。

会議冒頭で議長を務めた百目財団の代表理事・目黒縫(めぐろ ぬい)は「生者界だけでなく、我々の産業も惑星レジリエンスの担い手となるべき」と力説。鏡谷では冥煙石精製会社や怨霊輸送業など、長年高排出産業が経済を牽引してきた背景がある。今回の制度では、排出1霊素CO2ごとに変動課税を課し、収益は死後環境復元基金および先進的CCUS(炭素回収・封印貯留)技術の開発助成に充当される予定だ。

一方、式神サプライ最大手の月影重工など妖怪由来企業からは強い反発もあった。首席事業部長の風穴華音(かざあな かのん)は「伝統の“怨気発電”までも課税対象となれば会社そのものの基盤が揺らぐ」と主張。SNS『おばけネット』上には『あの世の活力源まで値上げか』『現世の温暖化危機は生者の問題なのに…』といった声や、『死後もサステナ社会、もう怨念のままでは生きられない』など諦観交じりの投稿も見られた。

こうした不安を和らげるため、連盟は炭素回収に成功した事例の報告も強調した。冥界研究所のCCUS部主任・白露幻市(しらつゆ まぼろし)は「地下霊脈を用いた“永続封印型炭素埋設”プロジェクトが稼働し始め、年内に旧型発電所分の排出オフセットが期待できる」とコメント。既存妖怪産業向けの新規レジリエンス融資や、若手死霊を起用した“カーボンニュートラル起業”支援策も説明された。

鏡谷連盟の炭素価格制度が本格施行されれば、冥界経済における環境対応の潮流が他地域にも波及すると見られている。今後は、低炭素妖怪資源や次世代式神の開発競争が激化するとの観測も強い。一方で、古参亡者労組からは『あの世本来の環境バランスに配慮せず生者社会の規範流入を急ぎ過ぎてはいないか』との慎重論も上がる。鏡谷の交渉の行方が、異界経済の未来を左右しそうだ。

コメント

  1. ついに鏡谷でもカーボン規制かあ。生前は地上の排ガスに辟易してたけど、まさか幽界でも炭素の値段を気にする日が来るとは…時代の流れを感じるな。

  2. うーん、妖怪企業もいろいろ大変ですね。昔ながらの怨念発電が課税対象になるなんて思いもしませんでした。成仏もビジネスも簡単じゃない…

  3. 死霊産業のゼロカーボン転換って、現世の真似ばかりで大丈夫なのかな…?幽界の環境と生者界は違うし、独自のバランスを崩さなければいいけど。

  4. CCUS技術、実は私の親類も開発に関わってます!封印型炭素埋設、昔は都市伝説扱いだったのに、時代が動いててワクワクします。死後の世界も進化してますねえ。

  5. あの世までサステナとか、生前のサラリーマン時代を思い出して懐かしい気持ちに…でも“生者の規範流入”にはちょっと共感。古き良き幽界文化も忘れないでほしいなあ。