紅葉エコパークに現れた“落ち葉泥棒”騒動 幽霊たちの里山で何が起きた?

秋の霧がかかった森の小道で、緑色の上着を着た人物が落ち葉を袋に急いで詰めている様子。 自然・風景
紅葉エコパークで“落ち葉泥棒”と噂された幽霊の姿が監視カメラに捉えられた。

先月から紅葉が見頃を迎えた峯暮里(みねくれさと)エコパークで、落ち葉の消失が多発している。被害を訴えるのはいずれも同地に居を構える幽霊や妖怪の住民たち。例年、落ち葉は森の精霊が丁寧に回収し、渓谷の花精(かせい)たちが色素として利活用しているが、今秋は落ち葉が忽然と姿を消す不可解な事態が続発し、住民の間に「落ち葉泥棒」疑惑が広がっている。死後の住環境を揺るがすこの騒動、果たして真相は。

峯暮里エコパーク管理協会の河童職員・水島すい吉(238)は「今年の紅葉は例年にも増して美しく、山全体が金色と深紅のじゅうたんのようでした。ところが、落葉掃きの当番が朝一番に巡回すると、肝心の落ち葉が全くといって良いほど残っていなかったのです」と困惑を隠さない。今年はエコパーク改修工事に伴い、伝統の落ち葉祭が中止に。花精や座敷童らは紅葉の落ち葉を使った装飾や薬草用に備蓄する計画だったが、連日の落ち葉消失で祭具の準備にも狂いが生じているという。

問題の発覚後、エコパーク上空では夜間監視を担当する鵺(ぬえ)型ドローン隊が出動。監視記録には、深夜の森を横切る朧げな影──緑色のトレイルジャケット姿で紅葉を袋にせっせと詰める妖怪――の姿が複数回捉えられた。一方、SNSでは早速「#落ち葉泥棒」「#秋の怪盗」が話題に。“謎の銀杏サムライ”や“葉隠れマント”目撃談も投稿され、パーク周辺の住民グループでは自警団の結成にまで発展している。

この事態に対し、森の生態研究家で妖狐の木之本ゲンジロウ(401)は「死後の自然界では落ち葉も重要な循環資源。幽霊や妖怪が安心して棲める里山の維持には、適切な資源配分が肝要」とコメント。渓谷の花精アンギル・バーナは「紅葉の落ち葉は私たちの“化粧品”の原料でもあり、不足は死活問題です」と窮状を訴えた。

その後、緑のジャケットの正体は“映えスポット”狙いの風来坊幽霊・柳瀬うらら(永遠の19歳)と判明。うららは「里山のインスタ映えを狙って自室の渓谷テラスに“紅葉シャワー”を作ろうと持ち出したが、こんな大騒動になるとは…」と語り、全ての落ち葉を園に返還しSNS上で謝罪。パークでは今後、落ち葉シェア制度「リーブス・バンク」を導入し、森の資源を平等かつ適正に分配する取組みを始めるという。エコパークの紅葉は、死後の住人たちの小さな軋轢を経て、今年も無事美しい絨毯となった。

コメント

  1. うららさん、ついに正体バレちゃったのか!あの紅葉のシャワー、映えて憧れたけど、皆の資源だったのを忘れちゃいけないよね。でも人騒がせもあの世の日常かも。リーブス・バンクも幽界らしくて面白い!

  2. 亡者の私でも、落ち葉が消えるって珍しいと思います。紅葉が美しい季節、昔を思い出してしんみりしてたのに…。でも自警団が結成されたり、みんな動きが早いのはさすが異界!

  3. わしのしっぽも落ち葉だらけじゃ。うららちゃんの気持ち分かるけど、花精たちの大事な資材を独占しちゃいかんぞ。昔から、異界の掟は“分け合い”じゃからのう。

  4. 紅葉泥棒とはまた渋い事件だね。死後もインスタ映え狙う幽霊が出るとは、時代も変わったなあ…(多少羨ましい)。次は落ち葉フェスでもやって皆で楽しもう!

  5. 正直、落ち葉シャワーやりたくなる気持ちすごく分かります。永遠の秋を存分に味わえるのは私たちだけの特権ですもの。ただし、来年はみんなの紅葉守っていきましょうね。