透明オーケストラと踊るミュージカル「終幕のプリズム」、帝国劇場で幽界初演

帝国劇場の観客席から、空中で踊る2人の主演と空のオーケストラピットが見える写真。 ミュージカル
幽界初演となった「終幕のプリズム」では、透明なオーケストラと無重力ダンスが観客を魅了した。

異界最大のエンターテインメントのひとつとなったミュージカル「終幕のプリズム」が、帝国劇場で幽界初演を果たした。この舞台の最大の話題は、人間界では一切その存在が確認できない“透明オーケストラ”と、幽霊振付家が手掛けた“無重力ダンス”が絶妙に絡み合う斬新な演出だ。死後の世界の住民たちはもちろん、生前は舞台芸術と無縁だった精霊や妖怪たちも詰めかけ、異界文化の新しい波を感じさせている。

主役を務めるのは、音曲幽霊のマツロ・ツネと、百態変化を操る妖怪ダンサー、シラサギ・ヨル。二人はパンフレットの表紙でも話題となり、初日公演のチケットは即日完売。一夜限りの特別セットでは、死後の思い出を反映した“現世再生プロジェクション”によって、観客一人ひとりに異なる風景を映し出した。振付家のカラスヤ・ミドリは「重力に縛られない動きと、観客の生前の記憶が絡み合うことで、ミュージカルの常識を幽界から揺るがせたかった」とコメントしている。

本公演のオーケストラ・ピットは、普段は空中に浮かぶ“透明楽団員”で埋め尽くされる。彼らは死後も楽器への未練をもつ幽霊で、音色は極めて鮮明ながら、姿は一切見えない。シンバル担当のカワチ・レンはSNSで「ときどき過去のトラウマが音になって現れるので、皆で乗り越えながら一丸となって練習しています」と舞台裏を明かす。観客の座席には“魂チューナー”が設置されており、耳を澄ませば現世の耳では聴こえない旋律も楽しめる仕組みだ。

セットデザインを担当したはぐれ魂のモモセ・シュウは、自ら死後に見た色彩の再解釈に挑戦。「舞台セットは五感のうち、未練に触れることだけ不可視にしています。観客が何を未練に感じるかで景色がにじむように工夫しました」という仕掛けが隠れている。来場者の多くは舞台後に自分の“未練グッズ”を購入し、推しキャストを模した香気漂う骨壷や、不思議な温度を感じる舞台砂時計などが飛ぶように売れた。

新たなミュージカル映画化の話も早くも舞い込んできており、監督候補には亡霊の映画作家ヤミ・コーヘイの名が挙がっている。SNSでは『死後にも新しい推しに出会える時代が来た』『音楽と記憶が交差する最前列体験』と感動の声が並ぶなど、異界ミュージカルブームはますます加速しそうだ。

コメント

  1. 透明オーケストラの演奏、久々に魂が震えました!生前は音楽に疎かった自分が、まさかあの世で最前列体験するとは…未練が音に溶ける感じが懐かしかったです。

  2. 無重力ダンス、あれは何度見ても見慣れないねぇ。ワシらが転生する前も踊ってはいたが、あんな浮遊感はさすが幽界。この世じゃ到底できん芸当じゃ!

  3. 魂チューナーを初めて使ってみたけど、現世で聴き逃してた音がこんなにあったなんて。不思議な温度の砂時計もつい買っちゃった。こんな体験、成仏してなくてよかった。

  4. 正直、未練に触れる舞台セットは少し切なかったですね。昔の現世の記憶がぼんやり浮かび上がって、思わぬ涙が…。でも、死後にも推しができるなんて想像してませんでした。