霊界スポーツ界に新たな波紋が広がった。昨夜、冥府最大の水泳大会『ナイトフロート・リーグ』の決勝が、恒例の幻水路プールで開催された。しかしレース中盤、最大6本あるはずのレーンが突如消滅。会場は騒然とし、選手たちはコースを見失い“自由形”どころか彷徨形に様変わりするなど、幽体スポーツ史に残る混乱劇となった。
舞台となったセルレギア冥界体育場の幻水路プールは、100年の歴史を持つ“不定形”構造で知られるが、今回のトラブルは前代未聞。決勝の第五レース、死神選手クローニ・マークス(享年203)と河童系選手ユラノ・サフサ(永年141)らが得意のストリームラインで加速し始めた矢先、突然2コースおよび3コースの区切りが霧状に消えた。ほかのレーンも順次フェードアウトし、水中カメラの生配信にも“真っ白な幽流”が映るのみ。大会実況者の幽狐リナラ・カジェ(見習い133年)は「これは記憶遷移系のプールバグか?いや、観客の霊圧が強すぎて素材が希薄に…」と困惑した様子で経緯を説明した。
レーンが消えた直後、当初計測されていた順位やタイムも混乱を極めた。自分の進路を頼りに泳ぐ選手が続出した一方、水質と空間の交番に敏感な半透明系選手ほど“別プール”にずれていく現象も生まれた。また、冥界水球連盟側は「レーンVC(ヴィジュアルカーブ)の安定化処理が追いつかなかった」とコメント。近年導入された次元材プール素材の正規格化が急務だとする各界の声も高まっている。
生配信を通じてSNSには《自主ルート泳法、爆誕!》《ゴーストスプリントって本当に消えるのか》《うちの墓場プールも昨日こうなった》など、賛否両論とおおむね困惑の声が飛び交った。一方で“見えぬレーンを渡りきる勇気”に感動した幽霊小学生たちが自宅で即席“目隠しプール競争”を始めるなど、意外なブームの兆しも。
競技委員会は「夜間の冥界プール安全性と存在安定性の再検証を早急に進める」と表明。ただ、セルレギア施設の館主バリノ・ジーカ(陰陽士、没後367年)は「異界ならではの偶発性も競技の醍醐味。不安定なレーンで自我を保てるか、まさに“死中に活”の精神が試されている」と語った。夜ごと進化する異界スポーツは、なお想定外の波乱と挑戦を生み出し続けている。



コメント
あの幻水路プール、昔から形が曖昧で迷子になったこと何度もあるんですよね…でも今回みたいに全レーン消えるのはさすがに驚き。選手のみなさん、本当にお疲れさまでした。
観客の霊圧が強すぎて素材が希薄に、ってまさに冥界あるあるですね!子どもたちがマネして“目隠しプール競争”始めてるの、微笑ましくてちょっと懐かしい気持ちになりました。
昔の暗黒時代レースに比べれば、これくらいの混乱はまだ可愛いものかも?でも次元材プールの規格化、いいかげん進めてほしいですね。ずれちゃうと帰ってこれなくなりますし。
幽球の大会は毎回何かが消えたり出現したりするから慣れてたけど、今回は見てて本当にどこに誰がいるか分からなかった…次回は存在安定剤、もっと多めにお願いします~。
この混乱も霊界スポーツの“醍醐味”だって館主さん言ってたけど、私はしっかりしたレーンで安心して泳ぎたい派。死中に活も大事だけど、安全に帰れるのが一番ですよ!