死後界最大級のSNS『シャドウリンク』で、この一週間「誹謗アラート」が前代未聞の連発となり、界隈のユーザーや管理当局を巻き込む騒動が勃発している。匿名性が高いことで知られる本サービスだが、著名インフルエンサー『透明人間』カスガ・リオン(享年37)のアカウントが突然、連続で誹謗中傷コメントを理由に強制シャドウバン処分を受けたことが発端だ。事の真相を探るうち、異界住民たちの“晒し文化”や法の未整備さが浮き彫りとなった。
今回の一件は、カスガ・リオンが投稿した「生前よりも死後のほうが近所づきあいが楽」といったエッセイ風ツイートが数千件の反響を呼び、なかには彼に対する過激な批判や侮辱的な絵文字スタンプが殺到する事態に発展したのがきっかけ。シャドウリンク運営のボーンロック社が自動判定AI『スケル・ガード』により、リオンの投稿欄全体を誹謗アラート対象に指定。結果として本人までもが自身の投稿閲覧を制限されるという“自己炎上”状態となった。カスガ氏は「自分の顔が見えないことが祟っているのかも」と、独自の観点で思いを語った。
問題が深刻化したのは、アラート検出基準の曖昧さと、通報制度が『幽名(ゴーストネーム)』による完全匿名を認めている点だ。SNS取材担当の大妖怪アナリスト・クリサメ ミスジ(不詳)は「冥界では生前の肩書や社会的地位が引き継がれず、自己認証が難しい。よって匿名での誹謗・晒し行為が“現世以上”に拡散されやすい」と解説。その実、誹謗アラートは一部の集団ユーザーによる“幽名狩り”(SNSIDの晒し上げ)や、過激な晒しアカウントへと新たな追い風をもたらしている。
管理当局も対応に追われている。死後界通信管理庁の担当官・ナルハヤ シデンは「現行法ではデータ上の個人性やプライバシー保護が杜撰。アラート乱立が社会的抹消(デジタル消滅)と直結しかねず、早急な法整備が必要」と危機感を強める。また、ごく最近登場した“炎上商法霊”たちが、わざと誹謗コメントを誘発し注目を集める“幽霊マーケティング”にも一部疑念が向けられているという。
SNSユーザーの声は揺れている。プラント精霊のトヤマ ナギ(施主、125歳)は「死後すら誹謗中傷を恐れて発言しづらくなった」と悲嘆。一方で、「晒される恐怖はあるが、幽名の自由が精神的平穏を保つ唯一の砦」と匿名性維持を望む声も。死後界特有のネット社会、今後バランスある制度設計がなされるか、各界の行方が注目されている。



コメント
あの世に来ても誹謗中傷に悩まされるとは…昔は霊会議で言いたいこと言い合って終わりだったのになあ。幽名があるのは便利だけど、もう少し穏やかに過ごしたいものです。
透明人間さんの投稿、よく読んでいました。陰で支えてたのに、自己炎上だなんて可哀想。幽界にもSNSトラブルは尽きないのですね…成仏しても人間関係の悩みは続くんだなあとしみじみ。
正直、幽名狩りはやりすぎでしょ。匿名だからって現世みたいに晒しあうなんて、冥界の良さが薄れてきて残念。スケル・ガードもAIじゃ魂の機微は掴めないのでは?
死後界では現世の肩書が消えるからこそ、自由に発信できるのが魅力でした。アラートばかりじゃ投稿も怖くて無理です。幽霊マーケティングなんて、私には理解できませんね。
幽界SNSって昔から好き放題なイメージだったけど、ここまで厳しすぎると逆に窮屈。ちょっと悲しいけど…みんなで優しい言魂を広めていきたいですね。