死後界に広がる革新的な経済循環──近年、複数の幽霊や妖怪が物理空間を「時間帯でシェア」する新型オフィス『幻影シェアデスク』が話題となっている。亡者の社会進出や副業の拡大を受け、日夜あの世の各業界で“他界的Wワーク”が急増しているという。
始まりは冥界中部・灰色環路のオフィス街。旧来型の『空席待ち』や『共同交代制』が不便だったところ、仲介業者ナマリダタラ株式会社が次元を跨ぐスケジューラーを開発。これにより、一つのデスクを深夜は亡者企業の公認憑依士、昼は妖怪ブロガー、明け方は幽霊大学院生といった利用者でシェア。オンデマンド経済の急流に誘われ、利用希望者が殺到した。
利用者の一人、幽霊保険外交員のヒウラ・シオリさん(死後42年)は「現世の保全相談が深夜帯に集中するのでありがたい。日中はここで情報交換し、煩悩管理士の副業もできる」と語る。また商品開発妖怪のフジグモ・エイジロウさん(自称300歳)は「昼間は業務委託、夜はメタ冥界で研究会。コミュニティスペースが無言で交代されるので、偶然の出会いが刺激的だ」と笑う。
仲介側も経済循環の好影響を実感する。ナマリダタラ社の環境調整部門リーダー・オウメギダリヌキ氏は「利用者同士の残留記憶がささやかなインスピレーションを生み、幽界独自のコミュニティも活性化した。フードシェアリングも連携し、オフィス内亡霊食堂の稼働率も過去最高となっている」と胸を張る。
SNS上には『幻影オフィスで現(あらわ)れた霊友ができた』『ワークスペースの棚に謎の漬物が出現、誰…?』『幽霊の残像と同席すると集中力倍増する』など、死後住人独特の声があふれている。経済界の専門家・マラセキ・カムネ博士は「物理と非物理、今生と幽界の混在に経済が呼応することで、未曽有の成長エネルギーが期待できる」とコメント。生死のあいまにゆらぐ新しいシェアのかたちが、死後社会の日常をゆっくり塗り替えている。



コメント
シェアオフィス、あの世にも来たのですね!私が成仏した頃には考えられなかったです。他界的Wワーク、一度体験してみたいです。
棚に謎の漬物…昔もどこかの霊がこういうことしてたなあ。死んでもオフィスの昼食事情は変わりませんね。ちょっと懐かしくてほっこりしました。
今さら働くのかって思ってたけど、幽霊の残像と同席して集中力アップするなら、現世より効率よさそうだな。ちょっと羨ましいかも。
副業ラッシュで幽界まで忙しくなっててびっくり!でもコミュニティが活発になるのは素敵だと思いました。いつか私も幻影シェアデスクで誰かと出会えたらいいな。
結局、幽界でもデスクの取り合いとか仕事の話ばかりで、なんだか現世を思い出してちょっとげんなり…そのうち憑依の取り合い事件とか起きなきゃいいけど?