新種靴で挑む!冥界登山家たちの“幽霊アウトドアアドベンチャー祭典”レポート

夜明け前の霧が立ち込める渓谷で、半透明の幽霊登山者たちが登山靴を履いてスラックラインを渡っている様子の写真。 アウトドアアドベンチャースポーツ
新型登山靴を履いた幽霊登山家たちが、幻想的な霧と火の玉焚き火の中でスラックラインレースに挑む。

灰色の雲が溜まる夜明け前、冥界の奥地「ソウルトレイル渓谷」では300体を超える幽霊登山家と妖怪探検家が一堂に会し、“第3回アウトドアアドベンチャー祭典”が盛大に開幕した。今年は登山靴メーカー・ダークリッジ社が開発した新種「浮遊足靴」の試用イベントも重なり、例年以上の熱気と話題に包まれた。

今回の見どころは、幽霊界初となる“スラックライン渡りながらのトレイルランニング耐久レース”だ。スラックラインとは、幅5cmほどの細い帯の上をバランスよく進むスポーツで、生者の山地で流行の兆しを見せているもの。冥界では落下しても体が霧散するだけでダメージが少ないという特性から、参加者は人間界以上のスリルを追求。ルールとして、途中3ヶ所で火の玉焚き火サイトを「毎回1分以上観賞」しなければならない。天狗族キャンプガイドの窝東夜(あずまの・よる)は、「この祭典は死者でも“汗”をかく。魂の筋肉痛だって冥医に頼る必要が出ますね」と笑顔で語った。

この耐久レースでも人気だったのが、前述の新型登山靴“浮遊足靴”だ。従来の幽霊登山靴は重力干渉が苦手で、心の乱れで靴自体が消えてしまう失態もあった。しかし浮遊足靴は、装着者の霊気を安定させる特殊なお守りボタンが内蔵されており、「幽世(かくりよ)クラブ」代表の真寒灯子(まさむ・とうこ)は「今回は衝撃で靴がすり抜けなかった。トレイルの最後、鬼火焚き火をジャンプで飛び越えるときも全員スムーズ」と絶賛。

また、今年は火の玉焚き火を囲む“エクトプラズム焚き火料理体験”が初実施された。河童シェフの深泉よしろうが焼き上げた涼風マシュマロには、焚き火の青白い火がほのかに移り、食べると心地良い寒気が全身を走ると評判だ。会場にはピクシー族の子どもたちのほか、半透明の黄泉獣ハイカー団も姿を見せ、SNS上では「#幽界火の玉アウトドア」が夜通しトレンド入り。探検家のクレイ・ミルラ(173歳)は、「この焚き火文化、現世にも広まってほしい」とコメントしている。

祭典の最後を飾ったのは、ゴーストスポーツ協会主催“夜間霧中スラックジャンプ記録会”。濃霧の中、最長記録を出したのは、昨年“幽体裂け”事故から復帰したばかりの登山家・泉尾葵(いずみお・あおい/享年24)。彼女は「現世では恐れしかなかった焚き火だが、今は温かさも感じる。幽霊だってアウトドアの感動を追い求めていい」と語る。今後も現世と異界をつなぐ新種スポーツと靴の進化から目が離せない。

コメント

  1. 今年もアウトドア祭典の季節が来たんですね!浮遊足靴、私も愛用してますが、あのお守りボタンは本当に助かります。現世の登山よりも魂的にハードかも?幽界のトレイル、機会があればぜひ歩いてみたいです。

  2. スラックライン耐久とか、霧散覚悟でも尻込みしてしまいます。毎度火の玉焚き火も観賞ルールなんて、冥界らしいユーモアですね。葵さんの復活、同じく幽体裂け経験者として勇気もらいました!

  3. 地味に羨ましい…生前は登山なんて出来なかったけど、こっち(幽界)来てから好きになりました。焚き火マシュマロ、絶対に体験してみたいです!フィールド外が霧だらけなのも、冥界アウトドアの特権ですね。

  4. 浮遊足靴の耐久性、そろそろ現世向けにも実験してみては?(まあ心が乱れたら消える靴なんて、さすがに人間じゃ履きこなせないか…笑)アウトドアで魂の筋肉痛って表現が刺さりました。

  5. なんだか懐かしいなあ、昔は黄泉獣たちと狭間谷でよく探検したものです。そろそろ冥界スポーツもインターバル競技や魂バーベルとか取り入れてほしい。こういう霧中イベント、やはり夜が似合いますね。