幽界最大手の居酒屋チェーン「串魂(くしたま)」が、死後の世界の健康意識高揚を受け、全く新しい形のフィットネスジム「焼き鳥ジム」を開業した。運動と食欲と精神のバランスが崩れがちな幽霊たちのため、串焼きとトレーニングを融合させた“気の巡り”型ヘルスケアプログラムが注目を集めている。
串魂グループが手がけるこのジムは、ドイツ幽霊村の伝統的な炭火焼き場を模した空間で、参加者は「幽炎ダンベル」や「魂もみ串」のほか、最新の“消灯有酸素ルーム”など、肉体のない幽霊でも気の巡りが実感できるユニークな器具を体験できる。特に人気なのは“アゲアゲささみランジ”と呼ばれる下半身強化プログラムで、「針金のようだった脚が見違えた」と、定年死後の自称詩人・十文字霊司(れいじ・68)は語る。
ジムの目玉は“串回しサーキット”だ。参加者が無意識に固まりやすい肩・背中・腰の「浮遊部位」に集中し、専用のタレ壺の周りを回転運動しながら柔軟性とメンタルヘルスを同時に鍛える。インストラクターの荒覇吐タマヨ(59)は「死後硬直からの解放が目に見えて分かる。終わったあとは絶妙な幽気の旨みを感じられる」と語る。
しかし斬新なジムスタイルには戸惑いの声も。無意識業務省の幽本イツキ部長は「フィットネスに炭火の要素を足す発想は前例がない。一部には“脂肪の幽界還元”現象(焼き鳥のタレに魂の一部が溶け込む)が問題視されている」と指摘。ただ、SNS上では『仏骨の細さが気にならなくなった』や『肩甲骨の開きが七輪サイズに!』『気が巡って成仏ギリ手前』といった称賛が大勢を占める。
今後は、定期的な“気切れ串バーベル大会”開催や、あの世専用の食事指導プログラムの提供も予定されており、従来のフィットネスジムとは一線を画す存在となりそうだ。串魂の霊鳥ミネオ(45)は「飽きてしまいがちな死後の健康管理を、美味と運動の二重奏で改革したい」と意気込む。死後の世界に新たな“筋活”ブームが巻き起こるか、注目が集まっている。


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