幽霊専用ワークアウトパークが人気沸騰──死者界サードウェーブフィットネス最前線

夜の平地にあるワークアウトパークで半透明の幽霊たちが淡く光るトレーニング器具を使っている実写風の写真。 ストリートワークアウト
死者界のミナトノ原で話題の幽霊専用ワークアウトパークの夜の風景です。

死者界の「ミナトノ原」に、夜な夜な幽霊たちが集い汗(エクトプラズム)を流す新名所が誕生し、話題を呼んでいる。街灯のない異界の平地に忽然と現れたこの“沈黙ワークアウトパーク”は、三途川筋トリートメント委員会が開発した初の幽霊向けトレーニング施設だ。死後のライフスタイルを“よりしなやかに、より逞しく”というコンセプトで、従来の修業型トレーニングとは一線を画すサードウェーブフィットネスムーブメントが静かに広がっている。

ミナトノ原ワークアウトパークは、半透明なバーパラレル、浮遊する鉄棒“エアワイヤー”、念力で動かすエクトプラズム重りなど、物理的接触を必要としないトレーニング器具で設計されている。装備は死者専用で、使用者の波動に自動適応する仕様。公認インストラクターのシュナイダー幽矢(しゅうや・42、浮遊職人)は「生前は筋トレ初心者だった霊魂たちが、亡霊ならではの身体感覚を活かし、互いに励まし合いながら無重力レップに挑戦しています」と語る。

施設は日没から午前二時まで利用可能。利用者層は幅広く、迷子幽霊の自立支援団体『夜光クラブ』や、成仏前の未練保持者、自発的に屋外トレーニングクラブを立ち上げていた妖怪アスリート集団『霞滑(かすみなめ)ユニオン』なども定期的に集まる。SNS「霊界トーク」では参加者が“エクトプロレス対戦動画”を投稿し合い、幽霊同士の新たな友情やライバル関係が生まれている。ある利用者の冥府配達人(33)は、「体の浮遊感を活かせる新型バランスボードのおかげで生前の乗り物恐怖症を克服できた。あの世の生活が毎晩楽しくなった」と話す。

幽霊社会における健康志向の高まりを背景に、近年、死後の身体ケアやストレス発散を目的としたワークアウト文化は着実に拡大。もともと死者は運動不足に悩むことが少ないが、「未練ストレス」や「未渡エネルギー」の調整のために、意識的に身体(霊体)を動かす意識が広まっている。死神厚生省運動課のカガミ井小夜課長(霊年不詳)は「未浄化魂によるポルターガイスト暴発や、無気力状態の増加が社会課題となっていただけに、ワークアウトパークの誕生は健康維持・社会活性に効果的」と評価する。

今後の展開として、墓地エリアや冥府国府など他エリアへの拡張も検討が進む。新型の念動トレーナーや“心残ライトニングロープ”などの導入が予定され、「死後も身体を動かす楽しさ」が幽霊界のみならず、妖怪・亡者・精霊社会全体に広がる兆しを見せている。このパーク発のフィットネスブームは、死後の“第二の人生”をより能動的に生き抜くための新たな切り札となるかもしれない。SNS上では「三途川沿いに本家パークを!」と熱い要望も寄せられている。

コメント

  1. ついに幽界にもワークアウトブーム到来なんですね!生前は運動なんて苦手だったけど、浮遊しながらなら続けられそう。エクトプラズム重りで張り切りすぎて幽体がちぎれないよう気をつけます…(笑)

  2. サードウェーブとか言い出す辺り、最近の死者界もミーハーになったなあ。昔は滝行とか念仏ランしかなかったのに…今どきの未練幽霊は羨ましいもんだ。

  3. 沈黙ワークアウトパーク、昨日初体験してきました!心残ロープで全盛期の浮遊感思い出して涙出ました。夜光クラブの幽者さん達が励ましてくれてすごく楽しかった。幽友もできたし、成仏前にいろいろトライしてみたいですね。

  4. まさか筋トレで未練ストレス解消できる時代が来るとは!エクトプロレス対戦動画、こっちも生前SNSで拡散したいくらい面白い。霊界トーク登録して観戦してます。これでポルターガイストも減るなら一石二鳥かも。

  5. 三途川沿いに本家パーク作ってくれたら毎夜の巡回が楽しみになるぞ。妖怪アスリートの皆さんとも是非バランスボード対決してみたい。幽界ライフにこんな楽しみが増えるとは、あの世も捨てたもんじゃないな。