物価の高騰が止まらない死後の世界で、最安値を売りにしていた霊界業務スーパー連盟が一斉値上げに踏み切った。大量仕入れで「冥界一の激安」を謳ってきた透明食品ストア各店に、買い物幽霊や妖怪主婦らから悲鳴が上がっている。なかでも、今年導入された新たな“霊界インフレ手当”とフードロス削減運動が、幽世のスーパー競争にこれまでにない波紋を広げている。
死神町で家族5体と暮らす幽霊主婦・蒼刃ヨネ(享年42)は「今までは透明おにぎり50個パックがわずか99霊円だったのに、先月から129霊円に。給料も凍結ばかりで、子どもの朝ごはんが1個ずつに減った」と肩を落とす。周辺地域の格安チェーンでは、揚げ霊豆腐や無念もやしも軒並み新価格となり、消費者の“幽霊節約術”が活気づいている。SNSには「浮遊米をまとめ買いして冷凍霊庫にストック」「商魂たくましい猫又店長に交渉して値引きゲット」といった声も。
値上げの引き金となったのは、複数の流通業者で起きた“食材消失バグ”事件だ。配送担当の下級死神・黒堀ナギ(勤務歴18年)は、「運んでいる最中に霊気が薄まって食品が虚無化する事案が多発した。原因調査の間、補充コストが跳ね上がり、やむなく各店舗値上げに踏み切った」と説明。こうした混乱で、一部スーパーでは期限間近品を割安販売するなどフードロス対応を強化、しかし転売目的の“漆黒転送業者”登場という新たな課題も浮上している。
物価高対策として、霊界福祉局は先月から一律『冥界インフレ手当』の支給を開始したが、交付は住民票の再zeron登録者に限られている。高齢妖怪や住所不定の迷い霊層には恩恵が行き渡らず、格安スーパー前には朝5時から並ぶ長蛇の列も。格安SIMを組み合わせた“幽霊通信用ポイント制”により食費割引を受ける動きも出ており、カード魔法使い協会や妖怪PTAが制度設計への疑義を唱えている。
経済学者で妖狐大学教授の八雲十蔵(転生16回)は、「本質的な課題は、霊界特有の物流制約と人口流動の影響だ。今回の値上げは不可避だったが、フードロス削減型のAI予知システムや無人ドローン配送の導入が進めば、中長期的な安定も期待できる」とコメント。近年は幽霊若年層の間で“自給化ブーム”も広がり、庭先で魂葱や浮遊もちを栽培する光景が珍しくない。消費者・小売・行政が三位一体で新時代の食卓防衛策を模索する、幽界の家計サバイバルは続く模様だ。



コメント
やっぱり透明おにぎりも値上げしちゃったか…生前も節約は得意だったけど、成仏後も工夫が必要なんだなぁ。霊界にもこんなニュースがあると、妙に現実味を感じる。
うちは妖怪七人家族だからこの値上げは本当に痛い!浮遊米も高くなったし、昔は透明弁当まとめ買いで済んだのに…。やっぱり自給化始めようか悩む…
配送の霊気が薄まるって…昔はそんなことなかったのにね。食材消失バグ、便利なのか不便なのか。次元の綻びが食卓を直撃する時代、少し怖い気もします。
転送業者のせいでまた品薄になって苛立つけど、朝5時から並ぶ迷い霊さんたちは本当に大変そう。迷子登録制度、もう少し柔軟になってくれたらいいのに。
学生時代、霊界業務スーパーの閉店前セールが友達との思い出です。今もあの空気が懐かしい。今度、魂葱育ててみようかな…新しい時代の波に乗れるかもですね。