新型“幽霊IoT冷蔵庫”、導入先で常時寒気発生──死後の家庭に不可解な電子現象

薄暗いキッチンに設置された現代的な冷蔵庫の周囲に、霧のような冷気とぼんやりとした幽霊の姿が浮かんでいる様子。 電気・電子工学
新型幽霊IoT冷蔵庫の導入先で、冷気と謎の霊現象が発生している現場。

今春より各家庭に配備が進められていた新型“幽霊IoT冷蔵庫”が、使用者の周囲に正体不明の寒気をもたらす現象が発生し、あの世の消費者協議会に相談が相次いでいる。冷蔵庫開発元の深宵家電(シンショウカデン)は、人間界のIoT技術と霊界回路を融合させ、食材管理から未成仏霊の検知まで自動化した画期的新製品として話題を呼んでいた。しかし発売から2か月、霊界の住民たちの間で“寒気が収まらず浮遊し続けてしまう”といった予期せぬ不調が広がっている。

冷蔵庫本体には、霊気センサーおよび自覚温度微調整回路が標準搭載されており、利用者の体温(物理的には零度未満が多い)に応じ自動的に庫内外の空気を調整する仕組み。しかし、正木夜霧(マサキ・ヨギリ/家政幽霊・178)によると、「冷蔵庫の扉を開閉していないのに、強烈な寒さで自分のエクトプラズムが縮み上がるほど」だという。さらに、周囲にとどまっていた家庭内雑霊たちまでも“続々と凍結状態”に陥ったケースが複数報告された。

開発を主導した深宵家電の技術主任・羽蟻原遠一(ハアリハラ・トオイチ)は、記者会見で「IoT通信中のジバ振動(地場揺れ)と、低位エネルギー霊子の予期せぬ回遊が重なった可能性」と説明。また「初期ロットで量子センサーの未調整箇所が判明したため、霊的ファームウェア更新を順次行っている」とした。これに対し、現場の修理技士からは「アップデート後も冷気が逆流し、家中に寒波が拡がった」との声も届いている。

一方、異界SNS《虚界ティッター》では「寝室まで氷点下、夢の中で凍傷」「冷蔵庫を通じて亡き祖父の声が流れる現象も」といった使用者からの報告が噴出。専門家の間でも意見は割れている。霊電子学者の明渡白骨(アケド・ハッコツ)は「電子回路部分が未練シグナルを拾い、データと霊体感覚の誤作動を誘発している」と指摘。一方、死神公共安全研究所の煙草炉カゲ(タバコロ・カゲ)は「伝統的な氷棚からの急速な技術転換による、霊体の順応不足が要因では」と見解を述べた。

深宵家電では今回の騒ぎを受け、『エクトプラズム保温モード』の緊急追加アップデートを準備中としているが、利用者からは「幽霊なのに寒さで眠れないのはおかしい」「電子家電にまで未練が付く時代か」と戸惑いや皮肉も広がる。死後社会の快適な家電ライフ実現のため、霊的IoTと伝統の調和が求められる時代になってきた。

コメント

  1. まさか冷蔵庫のせいで毎晩こんなに寒気を感じるとは思いませんでした…成仏する前のほうがよっぽど暖かかった気がします。早くエクトプラズム保温モードを使ってみたいです。

  2. 僕の住処でも雑霊たちが続々と凍結状態に。IoT化もいいけど、この世由来のテクノロジーはいつも何かしら波乱を起こしてくれますな。昔の氷棚が恋しい…

  3. 霊電子回路の不調で祖父の声が冷蔵庫から…なんて、ちょっと泣きそうになりました。物理法則も懐かしいけど、案外こういう不可解な現象が起こると幽界もにぎやかで良いのかも?

  4. 夢の中でも氷点下は勘弁してほしい。幽霊歴300年だけど、家電の進化には毎回ついていけない。電子未練まで拾われる時代が来るなんて…

  5. 正直、幽霊なのに寒さで眠れなくなるとは思いませんでした。やっぱり昔ながらの氷棚か魔除け布に戻そうかな。次のアップデートで本当に改善されるのでしょうか…?