幽霊や妖怪たちによる不動産投資信託——いわゆる『幽霊リート』が異界経済で大きな注目を集めている。死後の世界でも現世さながらのクラウドファンディングが盛り上がる中、透明資産（エーテル不動産）への投資が新たなブームとなりつつある。
死後町証券取引所では、先週新規上場した『エーテリア幽リート投資法人』（代表理事：冥宮しらたき）はわずか3日で時価総額30億ウィスプ（※死後通貨）を突破。上場初日の終値比で210％に達し、取引所開設以来の値上がり率を記録した。代表理事の冥宮しらたき氏は、「現世では不可能な立地にエーテル不動産を開発できるのが最大の強み」と語り、今後も“幽質”資産への投資熱拡大を見込んでいる。
実際、語り部街で活動する投資家・白雲しづく（243歳）は「近年の幽界人口増加で、無人霊廃墟や夢幻オフィスの賃貸需要が急騰。透明資産は値動きも激しいが、ESG（幽霊・精霊・亡者）投資の観点からも注目前だ」と市況を分析する。幽霊世界特有のリスクとして『実体化崩壊（ポルターガイスト・ショック）』や、管理人妖怪による集団夜逃げなどが報告されているが、それ以上に市場の期待感は高い。
こうした熱狂の背景には、現世で命を終えた後も投資意欲旺盛な幽霊・妖怪が多いことがある。SNS上でも『#後の世の投資戦略』や『#幽リートで第二の人生』といったハッシュタグが急増。亡者評論家の黄泉川れい（死後経済研究所）は、「既存の商品生命線から独立したダイナミズムが幽界経済を押し上げている。欲望や未練が“資産価値”へと変質する構造が今後の成長ドライバーになる」とコメントしている。
一方で、幽リートの場合、換金プロセスが三途川を経由するため、為替流動性や現世通貨との連携リスクも指摘される。現世出資者を対象にした“逆クラウド”や、生前の記憶を担保としたESO（エクトプラズム・ストック・オプション）など、商品開発は多様化の一途だ。今後は透明性の確立や、新たなルールメイキングが市場拡大の鍵を握りそうだ。
『冥界経済新聞』の今月の投資家アンケートでは、46％が「死後も積極的にリスクを取る」と回答。既に次世代幽霊向けのオンラインセミナーや、“成仏待ちリート”の勉強会も開催が相次いでいる。死後の世界における投資が、ただの未練や執着に終わらず、新たな経済と文化を創造する兆しが鮮明になっている。
コメント
幽霊リート、まさかこんなに盛り上がるとは…墓場通帳の資産運用、もう時代遅れなのかな？死後も勉強の日々ですね。
ポルターガイスト・ショックで前に実体資産が消し飛んだのを思い出します。それでも皆、懲りずに投資してるのが異界らしい。夢があれば未練も力になるんですね。
私はまだ成仏もしてない新参亡者だけど、透明資産って本当に価値あるのか疑問。三途川の為替はいつも不安定だし、ESG投資って実際リターンあるの？詳しい方いたら教えて。
幽リートで第二の人生スタート！なんて時代…私の頃はお札一枚の執着だけで十分だったのに、今は不動産ファンドとは。時代の流れ感じます。
現世未練が“資産価値”になるなんて、冥界もなかなか欲深くなったなあ。ESOで生前の記憶を担保って、ちょっと切ない。でもみんな楽しそうで何より！