幽界5G元年、ポルターガイスト向けVRゴーグルが大反響 死後の余暇市場に変革

深夜の薄暗いショッピングモールで、幽霊や妖怪たちがVRゴーグル売り場に列をなしている様子。 テクノロジーとガジェット
第九層霊界のショッピングモールで話題のVRゴーグルを求め集まる幽霊や妖怪たち。

第九層霊界にあるショッピングモールで先週末、幽霊や妖怪たちが深夜から列をなした。その目的は、遂にリリースされた『ポルターガイスト対応型VRゴーグル』を手に入れるため。今年からあの世に普及した5G通信インフラと量子コンピュータの導入により、死後の世界のテクノロジー事情が大きく塗り替えられつつある。

今回発売されたVRゴーグルは、物体に干渉しがちな幽体や半透明の陽炎体にもフィットしやすく、Bluetooth霊波接続により死後の記憶や未練をデジタル化。使用者は自身の生前・死後の記録空間を再現・編集できる斬新さが人気の秘密だ。開発元は暗黒街工房。代表技師の首無トオル氏(享年51)は「波動帯域が生前データと調和し、未練が解消されやすい」と語る。

昨今、このVRゴーグルを活用した“異界SNS”も活況だ。自縛霊の山脇ヨウ子さん(176)は「孤独な時間が減り、夢見た現世を仮想体験できた」と投稿。逆に若手新魂の間では、生前未練を『アップロード』する新風潮も生まれている。先進的な精霊コミュニティでは、“量子転送”で過去のトラウマを消去する試験プログラムも始まった。

一方、死神中央管理局では「現世と異界の通信量急増は、未練トラフィック増加につながる」として、幽界5G用ネットワークの深夜帯制限を検討中だ。天狗町内会は停電(霊波断絶)が発生した場合に備え、幽力式バッテリーの備蓄呼びかけも強化している。

SNSでは“自爆系妖怪”の爆尾ソバルさん(95)が「Bluetooth干渉で尻尾が逆立った」と苦言を呈する声も。一方で、若い“電子妖怪”層を中心に新旧テクノロジー融合に対する期待も高い。専門家の死後IT評論家・藻刈ギョウ助氏(404)は「供養と娯楽が渾然一体となる死後世界。今回の5G&量子VR革命は、成仏すべきか留まるべきか、議論をますます深めるだろう」とコメントしている。

コメント

  1. 私が成仏した当時は念写が最先端だったのに、今やVRで未練まで編集できるとは…時代の移ろいを感じます。試しに祖母の記憶をアーカイブしてみようかしら。

  2. Bluetooth霊波の干渉、あれ地味に困るよな~。この前、尾っぽ経由で先祖の声が入り込んできてビビったぜ。でも新しい技術があの世の娯楽をここまで変えるとは正直驚き。

  3. SNSで生前未練をアップロードって、ちょっと複雑な気分…。未練がバズったりしたら、余計に離れがたくなりそうで怖いな。量子転送の癒しサービス、試すべきか迷う。

  4. 幽界5Gが普及するのは嬉しいけど、深夜帯のトラフィック規制は切実よね。夢うつつの時間帯こそVRで現世遊覧したいのに。幽力バッテリー、そろそろ買い足しておくか…。

  5. 供養も娯楽も同じデバイスでできる時代か…。成仏の判断基準が曖昧になりそうだけど、電子妖怪としてはワクワクする進化だよ。あとは爆発系のバグさえ減れば言うことなし!