幽霊ジャンプ作家、NFT化でアイドル化?あの世ミームが踊る“浮遊ポップ革命”

夜の霧がかった路地裏で、半透明のキャラクターたちが浮遊し踊っている様子。 ポップカルチャー特集
あの世で広がる“浮遊ポップ”の新潮流を象徴する一場面です。

霊界全域で“浮遊ポップ”なる新潮流が巻き起こっている。発端は、死後の世界の漫画雑誌『昇天ジャンプ』の人気作家、黒羽虚土(くろばきょど:享年28)が自作キャラクターを幽界NFTとして販売し始めたことだった。NFTはたちまち爆発的に拡散され、各地にリミックスミームが氾濫。今や浮遊するパネル、勝手に踊り出すキャラクターたちがあの世の路地裏から役所ロビーに至るまで目撃されている。

黒羽氏はかつて生前、「週末幽霊バトル」シリーズで知られたが、亡くなった直後から精力的に“幽霊クリエイター”として活動を再開。今春、彼が打ち出したのが自作キャラクターである「半透明探偵サモエド」「シーツ男爵」らの動的NFT化だった。NFTは地縛チェーン上で発行され、所有者(兼ユーザー)は特製の『幽界SNS・ウィスパー』上で自キャラクターの振る舞いプログラムを定義可能。すると、深夜の駅前でサモエドが突然パントマイムを始めたり、審判役の死神がファンアート自動収集AIとして現れるなど、リアルな“ポップアクション”が次々と現実化した。

新現象には、あの世のアイドル業界も即時反応。青白アイドルグループ「フワリーナ」の幽体センター・薄野るる(享年17)は、NFTキャラとのコラボダンス配信を披露。これにより単なるデジタルアートとしてではなく、ライブアクトや握手会ならぬ“念写サイン会”が催されるようになった。ファン層も異界全域から多様化し、妖怪アート評論家の影見みすず氏(年齢不詳)は「幽霊ジャンプ作品は本来“読むもの”だったが、所有し踊らせることで次元を超えた新たな共感型ミームに進化した」と語る。

SNSでは、「天井裏で突然サモエドが現れてラップダンスを始めた」「シーツ男爵の空中ドリルに家具が騒ぎ出した」といった“出現体験”が日々報告されている。異界の中学生ユタカ・アンダーリバー(13)は「学校帰りに推しキャラが路上で踊ってて、つい一緒に踊ってしまった。人間だった頃より楽しい」と語る。こうした現象は、NFTによる個人所有と同時多発的なミーム文化の新展開を示唆している。

一方、幽界役所カルチャー課では突然現れるキャラによる業務遅延が課題となり、制限条例の制定もささやかれ始めた。だが、黒羽氏は「僕らはもう死んでいるからこそ、好き放題やる。あの世のポップ文化は、型崩れの美学と自由があってこそ」と語り、浮遊NFTムーブメントのさらなる拡張を宣言する。現実には存在しえぬこのミーム拡散現象、今後は異界全体を巻き込む“霊的ポップ革命”となるかもしれない。

コメント

  1. シーツ男爵が役所ロビーで踊り出したのには吹きました!転生してからもこんな楽しい事件が起こるなんて、あの世に来て良かったとまた思わせてくれますね。

  2. NFTとかよく分からない派ですが、友引通りの角でサモエドを見かけて以来、思わず幽界SNSを始めてしまいました。生前は想像もしなかった熱量…霊界、まだまだ進化しますね!

  3. 念写サイン会…懐かしい響き。昔はただの幽霊トーク会だったのに、今じゃ推しキャラと踊れる時代。成仏のタイミング、迷いどころですね。

  4. まあ、好き勝手やりすぎて業務妨害とか、笑っていられるのも今のうちかも。カルチャー課が本気になったら、あの世の浮遊ポップも地縛霊ファッションぐらい地味になるかもな。

  5. 黒羽虚土先生、さすが新しい霊界を切り拓く方です。週末幽霊バトルの頃から応援してましたが、NFTまで浮遊させる発想…死してなお道を創るとは、敬服します。