
幽霊たちの食品ロスゼロへ 冥界フードシェア始動、死後のグリーン革命
冥界西部に広がる穴空き橋通り。先月から、冷たい風に乗り見慣れぬ行列ができている。そこに集うのは、妖怪パン屋「霧谷ベーカリー」店主の霧谷小夜子(享年38)、透明人間の宅配士・黒井透(死亡後勤務15年)ら、多彩な異界住人たちだ。彼らの目的は、冥界初となる食品シェアリングプロジェクト「ファントム・フードシェア」に食材や料理を持ち寄ること。死後世界でも根強い問題とされた“食料のムダ”に、幽霊市民が本気で立ち向かい始めた。