霊貨

発明・発見

死後都市の“蛾型ドローン”、魂の流通を最適化――グレイ市スマートシティ計画始動

現世ではほとんど語られることのない幽界最大級の都市、グレイ市。このほど、同市の都市運営委員会は、死後世界における「魂の流通」と「金融取引」の両方を革新する、画期的なプロジェクトを発表した。注目を集めているのは、今月から実働が始まった“蛾型スマート・ドローン”による都市インフラの自動化だ。見た目は巨大な白蛾そのものだが、夜毎、光る針金のような触角を揺らしながら魂データと霊貨を運ぶ新しい都市の風景が広がりつつある。
犯罪

幽霊暴力団による『冥界投資詐欺』で百余名が被害、主犯格はもぬけの殻

住民の間で不安が広がっている。死後の世界西地区を拠点とする暴力団『白霧組』の構成員らが、近年急増するオカルト投資熱を背景に『冥界ファンド』と称する新手の詐欺を展開。百十三名が被害に遭い、総額三万五千霊貨超が騙し取られていたことが明らかになった。主犯格の一人である風切大樹(本名:風切大樹/暴力団構成員・没年27)は、憑依事件を装い逃走しており、冥界警察は行方を追っている。