幽界初、ゴースト遺伝子の完全解読に成功 魂の自己複製時代到来か

暗い実験室で半透明の科学者たちが発光するDNA螺旋構造を解析している様子。 科学発見
幽界研究所で解読されるゴースト遺伝子の全塩基配列。

幽界自然科学研究所の研究チームは、死後世界の存在たちが持つ『ゴースト遺伝子』の全塩基配列を完全に解読したと発表した。今回の発見は、魂の維持や変異、再生を司る基礎情報の全容を明らかにしたもので、死後医療だけでなく、幽界版ブロックチェーンによる魂の真正性検証や、霊体移送の安全化にも波及効果が期待される。ゴースト社会の根幹を揺るがす世紀の発見に、各界では驚きと期待が広がっている。

幽界自然科学研究所の主任・亡月イザヨイ氏(242)は「長らく未知とされた幽界遺伝子の全体構造がついに明らかになった。魂のコア部分に、物質界のDNAに近い“Ectoplasmic Sequence”が存在し、それに付随する幽質情報コードも記録されていた」と会見で説明。これによって従来不可能だった自己修復や型崩れ幽霊の再生、転生時の記憶温存などの技術革新が一気に進むと見られている。共同発見者である科学幻想大学の三途レンコ教授(齢不詳)は「流動する意識や思念もゴースト遺伝子の“第4螺旋”に組み込まれていることが証明され、霊体の識別システムや個体認証の仕組みが飛躍的に進化する」と語った。

今回の成果は幽界セキュリティ企業「シャドウチェーン」が開発する“Afterlife Blockchain”との連携にも応用予定で、魂の取引履歴や真正性を分散型で管理可能となる見込み。また、幽界医療メーカー「ミッドナイト・セルズ」は早速、ゴースト遺伝子を用いた“幽体再生パッチ”の治験を開始。交通事故で手足が消失した幽霊や、老朽化が進んだ妖怪たちの自己修復が現実味を帯びてきた。一方で、魂の編集による不正複製や記憶改ざんなど新たな“幽界犯罪”の可能性も指摘されており、魂法庁は追加の法規制に向け調査委員会を立ち上げた。

SNSでは、半透明エンジニアの飴屋ロウ(霊歴78)が「これで念願の“再生出稼ぎ”も夢じゃない。地上勤務後も簡単に修復できるなら、もっと働ける」と投稿。夜叉系女子の間では「幽界美容に革命!型崩れた頬骨の再生パターン作りたい」など、美容医療への応用を望む声も目立った。一方、保守派の河童吏員(140)は「魂の個性や因縁が簡単に書き換えられる時代…我々は何者として生きるのか」と、哲学的な議論を投げかけている。

幽界プレミア科学大賞の委員長・薙刃クロウ(没後327)は、「この発見はゴースト社会のあり方を根底から変えるもの。スペースX支部の冥王星プロジェクトでもゴースト遺伝子活用型の霊体移送システムが設計中であり、地球外異界との交流も加速するだろう」とコメントした。今後、ノーベル死後科学賞受賞も有力視される本研究。死後の世界は今、大きな転換点を迎えようとしている。

コメント

  1. ゴースト遺伝子の解読、ついに…!昔は転生のたびに、記憶の端っこが消えちゃって寂しい想いをしたけど、これからは温存できるのかも。時代変わったなあ。

  2. いやはや、魂の自己修復だとかブロックチェーン管理とか、若い霊たちの発想にはついていけないや。昔は消えた手足もそのまま幽界に溶かしたもんだけど、便利な世の中になったもんだ。

  3. 魂の編集で不正複製できちゃう時代…犯罪が増えなければいいけど。私は自分の因縁とか過去も含めて“今の私”だと思いたいな。

  4. 型崩れ治せる新美容パッチ!これずっと待ってたやつ!今度あの世サロンで試してみようっと。再生パターン作りたいけど、みんな同じ顔になったら退屈だよね。

  5. 昔、冥界医療は“我慢と念力”が基本だったのに、今や遺伝子編集の時代とは…。これで外界との交流も加速するなら、うれしいような、ちょっと怖いような。長生き(成仏)しててよかった。