死後の世界最大規模を誇る幽界グリーンパークで開催された妖怪ゴルフコンペにて、各ホールでボールの“グリーン・スライス”現象が続出し、大会は例年以上の混乱に包まれた。現役ゴルファー霊が一堂に会する年に一度の本大会だが、今大会は特にドライバーを握る手にも思わぬ霊障が及んだとの報告が相次いだ。
大会のオープニングホールでは、座敷童子ゴルファーの西園寺宵一(享年35)がティーショットで魂入りドライバーを使用し、飛距離300メートルを記録。しかしボールは突如として不可解な軌道を描き、グリーンを外れて雲海バンカーへと消えた。観戦していた百目鬼カメラマン団からは、「今年のボールは幽気が強すぎる」との声が上がった。こうした現象は2番、4番ホールでも再発し、各選手のスコアに大きな影響を及ぼしている。
今大会の出場者で注目を集めたのは、江戸時代の伝説ゴルファー幽霊である古賀右近(享年41)。彼はかつて現世のゴルフ界で稀に見る繊細なタッチの持ち主として知られた存在。「グリーンの上でボールが泳ぐ。ティータイム毎に空気の流れが変わるようだ」と語り、妖狐の風使い・柳田葵(妖怪、実年齢不詳)の仕業を匂わせる発言で会場はざわついた。SNSでは「柳田の秘術グリーン・シフトか」、「右近のスライスはまじで別次元」といった投稿が相次ぎ、死後世界のネットでは本大会のハッシュタグがトレンド1位となった。
大会運営委員会の幽霊プロ中島晴哉(没99年)は、「例年に比べ、グリーン上の霊気流動が著しい。原因は一部ティーグラウンドで開かれた幽霊たちの茶会と、ティータイム中の陰陽調整にあると思われる」とコメント。「グリーンの湿度よりも霊圧を重視せねばならない時代に入った」とし、今後の大会運営ルール改正を示唆した。
一方、初参加の小野寺美鈴(妖怪・27)は、霊界ドライバーの特性を活かし、1ホールで“異界イーグル”を達成。「霊風に乗るコツがつかめた。現世で言う“タイガー・ウッズ超え”を狙っていきたい」とインタビューで意気込みを語った。大会ゴルフ場では今年からスライス発生時の霊障保険も導入されており、選手たちは“魂のアウト”により一層警戒を強めている。
来週には霊界ジュニアゴルフ選手権も同コースで開催予定。世界を揺るがす不可思議なコース環境がどのように変化するのか、ゴルフファン・幽界住民の注目が集まっている。
コメント
今年のグリーン・スライスは本当にひどかったですね。古賀右近のボールが雲海バンカーに消えるとは…死後300年観戦してきても初めて見ました。幽界ゴルフも年々予測不能になってきて面白いです。
柳田葵さん、またやっちゃいましたね〜。妖狐の風使い伝説、本当に現役なんだから!でも美鈴ちゃんのイーグル、見てて懐かしくも嫉妬しちゃいました。私も転生したらドライバー振りたい!
幽界茶会がゴルフにまで影響するとは思いませんでした。グリーンの霊気は昔に比べてずいぶん強くなった気がします。大会運営さんも成仏せずに頑張ってるんだから、今後のルール改正も応援しています。
グリーン・シフトとか霊障保険とか、もう幽界ゴルフはこの世のゴルフをはるかに超えてる感があって時々置いてけぼりです…でも魂のアウトは怖いので、用心しなきゃ。ジュニア選手権も楽しみ!
死後もゴルフに夢中になれるなんて羨ましい限りです。右近さんのプレーを生前一度見たかったなあ。来世のために今からグリーン・スライスの対策勉強しておきます。