幽霊リーグ公式eスポーツ大会が開幕、透明コンソールの不正疑惑も浮上

薄暗い霧に包まれたアリーナで、透明な幽霊選手たちが光るゲーム端末に向かう様子が写っている。 eスポーツ
幽霊たちが集う陰界ドームで開かれたファントム・バトル大会の熱気あふれる現場。

死後の世界でもゲーム熱は冷めない―。今年も恒例となった幽霊リーグ公式eスポーツ大会「ファントム・バトル」があの世最大のアリーナ『陰界ドーム』にて華やかに開幕した。大手スポンサーの冥財閥や“魑魅ソフトウェア”の最新ゲームエンジンを導入したことで、例年にない盛り上がりを見せている一方、不透明なコンソールの使用をめぐり大会運営に波紋が広がっている。

今大会には、地縛霊チーム「フリーフォール」や百鬼夜行の伝説的集団「夜行連盟」など計24チームが出場。“ボディレス・ファイターズ”の若きエース、蒼石ミコト(享年17)は「魂が抜けるほど緊張するけど、仲間の結束で必ず決勝に行く」と意気込みを語った。種目となる『霊界サバイバル』は、死後の特殊能力&物理的制約を生かした唯一無二のeスポーツだ。会場では実体を持たないプレイヤーが端末と一体化し、実在の実況者・比良坂シロウ(幽霊・34)が「ここは現世じゃない、ただの負けず嫌いが集まった闇だ!」と熱狂的な実況を展開している。

一方、ソーシャル霊界では大会初日から不正疑惑が噴出。各所で「新型“透明コンソール”を使っている選手がいる」などの投稿が相次ぎ、炎上気味となった。特に屍守護会の専門家・河童真司(死霊工学博士)は、「現世の技術で裏から干渉する“生者のサポート”が介在していないか調査中」と会見。大会運営側も緊急声明を発し、「すべてのコンソールは供養済みで、外部干渉は絶対にない」と強調したものの、選手間の心理戦はより一層高まっている。

この騒動に対し、SNS上では「幽霊のくせに不正とか失笑」「魂の透明化はスポーツ精神の範囲」といった意見から、「現世から実況配信されるなんて不謹慎だ」など否定的な声も。会場前で観戦していた浮遊学生の群青イサナ(無所属・16)は「次は僕も幽霊になったら出たい!」と憧れを隠さない様子だった。

大会は今後2週間かけて決勝戦まで続き、来週には“黄泉のスーパーカップ”も控えている。異界のeスポーツをめぐる騒動と熱狂は、しばらく収まりそうもない。

コメント

  1. ファントム・バトル、現世にいた頃から毎年楽しみです!亡霊になってもゲーミング魂は不滅なんですね。しかし透明コンソール問題、私ら地縛霊勢としてはきっちり潔白でいてほしいです。決勝までハラハラ!

  2. この手の不正疑惑、僕が生きてた頃の村祭りでも毎年もめてたなあ…魂だけになっても争いは消えないか。陰界ドームへ行けない分、透明なゲームプレイ私は存分に観たい。実況者シロウが熱すぎて成仏しかけたw

  3. 霊界サバイバル、私も生前に転生eスポーツやってたので応援にチカラ入っちゃう…透明化は能力だけど、機材でやるのは違うでしょ?運営さんの供養済み発言、信じてます!

  4. 幽霊リーグまで炎上とはこの世もあの世も変わらんなぁ。ただ本気の魂ぶつけ合ってる姿は見てて本当に羨ましい。自分が還ってきた頃は竹筒で競技してたのに、今や生者の干渉まで疑われるとは…時代だな。

  5. 魂の透明化もスポーツ精神も紙一重ですよね。私は現世実況はむしろ伝統の更新だと思う派!イサナくんみたいな若い幽学生が夢持てる場所になるといいな。大会最後まで応援します〜!