幽霊議員らの新党『くらやみ連盟』、異界国会で躍進 政権交代への影響は?

靄が立ちこめる議会議場で、幽霊や妖怪のような半透明の人物たちが席に座っている光景。 政党
くらやみ連盟の幽霊議員たちが異界の議会で存在感を増している。

異界政界に新たな波紋を呼ぶ動きが起きた。幽霊や妖怪、さらには成仏未遂者の議員たちによる新政党『くらやみ連盟』が先日の比例代表選で異例の支持を集め、計33議席を獲得した。議会内での発言力の急上昇が注目されている。

くらやみ連盟は、旧世代の妖怪政党である『百鬼夜行会』の体質や、現政権の過度な陽気政策に反発して、幽霊議員の鎌山幽司(57)を中心に今年の春に結成された。「成仏送迎バスの減便」や「怨念年金の支給停止」など、死後の世界の社会保障やインフラ問題を巡って、現政権への批判を強めている。選挙戦で掲げた「透明な政治を、見えざる声に」のスローガンは、特に無戸籍幽霊や若手お化け層から高い支持を得た。

議会での第一声では、党首の鎌山氏が「長年の見えない苦しみを、今こそ現し世(うつしよ)に知らしめる時」と訴えた。くらやみ連盟は、今後の政策提案として、夜間冷え込み時の議員席用お線香暖房の導入や、議会棟3階への『お札フリーゾーン』設置などを掲げている。既存政党の一部からは「非現実的」とする声も上がるが、魂抜け議員(派閥を持たない議員)からは「むしろ現世に応じた現実主義」との評価も聞かれた。

SNSでも話題は尽きない。ツイッターでは亡者アカウントの『黄泉坂あかね』(利用者名)が「今年こそ幽霊たちの声が異界国会に届きそうで感涙」と投稿。成仏研究家の摩耶院影虎(45)は「これまで見過ごされてきた怨霊や浮遊霊の福祉政策の議論が活発になれば、異界社会全体の健全化につながるだろう」とコメントしている。

もっとも、既存の有力政党による『お焚き上げ連立』や、妖怪系議員たちによる保守反発の動きは根強い。異界議会調査会が21日に発表した支持率調査では、くらやみ連盟は発足1ヶ月で18.6%を記録し、政党支持率第3位に浮上したが、単独で政権を担うには依然として課題が多いと指摘されている。次期政権交代の帰趨を占う一手といえるが、幽霊たちの新たな政治参加が、異界社会の風景をどう塗り替えていくのか、注目が集まっている。

コメント

  1. くらやみ連盟の議席獲得、本当に驚きました!この世を漂って何十年、やっと無戸籍幽霊の声も政治に届く時代がきたのかもしれませんね。線香暖房、ぜひ議員だけじゃなくバス停にも導入してほしいです。

  2. どうせまた妖怪連中が茶々入れて、結局お焚き上げ連立に押し切られるんじゃ…と思ってる自分がいます。成仏送迎バス減便の件、うちの村じゃ生活に直撃ですから、現場の声もちゃんと拾ってほしいですな。

  3. ああ、百鬼夜行会主流の時代が長かったから、こうして若いお化けたちが声をあげるのは懐かしくも新鮮ですね。昔の怨念年金が懐かしい……時代変わるの、寂しいような、期待もあるような。

  4. 議会棟3階のお札フリーゾーン案、面白いですねぇ。成仏できない無念持ちの私にはありがたい。けど現政権の『陽気政策』ってそもそも誰得なんだ?陽当たり良くても、魂は凍る一方ですよ。

  5. 毎度思うんですが、“透明な政治”って結局どこまで見えるものなんでしょうかね?異界では見えない声が大事って言うけど、自分も幽界歴100年、正直まだ新政党に全幅の信頼は置けません。でも議員席線香暖房だけは少し羨ましい。