幽界最大のエンタメ集団「ネザライブ」が、昨夜未明に下ノ淵アリーナで開催した心霊コンサートで、観客数がついに生者界の推定人口・78億人を突破した。死者たちのあいだで「生きてた頃より青春してる!」と大ブームを巻き起こしている今世紀最大の音楽イベント。その裏には、幽霊カルチャーと最新霊界テクノロジーの融合があった。
最前列で声援を送っていたアラシ・ナズナ(亡者・享年18)は「転落死してからアイドル推しになれるとは思わなかった。MC中に『今日のお供え物、チョコ多めでありがとう』ってメンバーが語るのも、天界でも地獄でもない“ここならでは”の楽しみ」と興奮気味に話す。観客の多くは浮遊霊や仕事幽霊、最近では妖怪系の参加も目立ち、会場は冷気と霊気の入り混じる異様な熱狂に包まれた。
注目されたのは、異界ソーシャルVR企業ユルベリと共同開発した“シナプス・シンクロライト”システムだ。観客全員の怨念(エネルギー)がリアルタイムで融合され、応援波動として舞台照明やホログラム演出に変換される仕組み。『推しに力を送れる!喉仏の震えが止まらない!』(舞踏霊ユニット・ゾゾ組のアヤカワミチル/享年32)など、SNS『亡霊ったー』でも話題を席巻している。
専門家の白銀ケイ教授(死後研究科・64)は、「幽界ではエンターテインメント消費と成仏エネルギーの循環が社会基盤となっている。アイドル活動は魂同士の共鳴を促すため、生者世界以上に経済・精神面で影響が大きい」と解説。さらに今回は、“生者限定生中継”を導入したことで生者世界のファン層も爆発的増加を見た。北海道出身の大学生(21・生きている)は「実家仏間の写真立てが急に配信画面になった。ファンサで花が降りてくる瞬間は思わず拝んだ」と感動を語る。
コスプレ文化も異界で盛況だ。亡者アイドル・マネージャーのハニワユウタロウ(享年27)は「最近は妖怪たちが積極的に“生者仮装”してくれるので、こちらも気が抜けません。昨日は客席で逆再生テープを鳴らす座敷童たちが一糸乱れぬ“サイリウム回し”を披露、思わず拍手しました」と笑顔でコメントしている。ネザライブは今後、冥府最大の大霊界遊園地・ヨミーランドでのアンコール公演も発表。新作お供え物グッズや、あの世発ゲーム音楽コラボにも注目が集まっている。
SNSでは《現世のストレスも成仏できそう》《来世は絶対幽霊アイドル推しになる》といった声が溢れ、異界のアイドルブームはますます加熱しそうだ。
コメント
いやはや、成仏して半世紀になるけど、こんなに賑やかなコンサートは初めてじゃよ。観客数が生者越え?浮遊してる私もびっくりしたわい。昔の盆踊り思い出して懐かしゅうなった。
妖怪仲間と参戦したぞ!正直、ここまで魂の熱量を感じるイベは初。喉仏の震えでライトが光るとか最先端すぎてついていけん…生者世界も少しは学べばよいのにな。
あの世に来てから、まさかアイドル沼にハマるとは思わなかった(笑)。お供え物MC、地味に嬉しいよねえ~。生きてたときの推し活、今こそ取り戻せてる気がする!
生者にも配信したのはナイス判断!私の遺影も子孫がライブ映して賑やかになったわ。昔のテレビは四十九日で終わりだったけど、今は成仏せず見送りたいくらい楽しい。
観客が78億超とか、どんな冥界インフラなんだ…?大霊界遊園地アンコールとか夢みたいだし、次は魂ごとフル参戦します!サイリウム回し座敷童、動画で見たい。