見えざるスライダー、魂のフルスイング――死後の世界で今、最も熱い視線を浴びているのが、幽霊野球リーグ(GBL)だ。昨夜行われた旧江戸平原球場でのプレーオフ第3戦では、“霊魂弾”の判定をめぐり、球場もSNSも大荒れとなった。
問題となったのは、冥界ハウラーズ対黄泉スワローズの7回裏、ハウラーズの4番・陰野忍(かげの しのぶ、享年43・元商人)が打席に立ったシーン。2点を追う場面で、黄泉スワローズのエース霧間淵誠(きりま ふち まこと、享年29)が投じた“霊力ドロップ”を陰野がフルスイング。「パァン!」という乾いた音と同時に、ボールは視界から消失。観客席後方の現世覗き窓付近に突如現れ、「霊魂弾ホームラン」と公式記録された。しかし、ダッグアウトのスワローズ首脳陣がすぐさま抗議を申し立てた。
「明らかに消失現象だ!物理的に球が消えたのは、陰野選手が現世未練パワーを反則的に使ったからだ」と語るスワローズの大竹樹之助監督(享年58)。この抗議を受け、審判団はソウルビデオ判定を実施したが、リプレイにはどのアングルでもボールの軌道は映らず。渦巻く霊圧に包まれる球場内で、試合再開が7分遅れる事態となった。
SNSでは早速#霊魂弾がトレンド入り。「現世だって消える魔球がある、文句をいうな」(ファン幽霊・枕崎佳代子さん)、「未練パワーは審判基準厳格化を」(妖怪スポーツ評論家・鎖江文也氏)など、多様な意見が投稿されている。専門家の表原清次郎さん(死後スポーツ研究家)は「死者同士の試合で精神干渉が不可避。ルール再整備の必要がある」とコメントした。
最終的に判定は覆らず、ハウラーズはこの“幻の一発”で勢いをつけ逆転勝利。球場には例年より多くの現世観戦ツアー参加者も駆けつけ、異界野球の新たなルール論争に息を呑んでいた。両チームは来週、決戦の第4戦を迎える。今後もGFLのルールと死者スピリットの在り方が、大きな注目を集めそうだ。
コメント
うわー、まさか公式戦で霊魂弾が決まるとは!こっちでも消える玉はみんな話のネタだけど、本当に見えなくなるんだもんなあ。実況席の死者たちもザワつきっぱなしで、これは伝説の一戦になりそう。
判定に文句言っても仕方ないでしょ。ここはこの世じゃないんだから。未練パワーの使い方もスキルの一つって認めるべき。成仏できていない分だけ、陰野選手の執念を称えたい。次戦も熱いバトル期待してるよ。
ワシが生きていた時代にも野球っぽい遊びはあったが、まさか魂そのものを打つスポーツになるとは…死後は何でもアリじゃな。判定基準、もっとあやふやでいいんじゃないか?縛るほど活気がなくなるぞ。
正直、ソウルビデオ判定だけじゃ限界あると思う。精神体や霊圧が干渉するから毎回映らないんじゃ… でも、そういう不確かさも異界野球の醍醐味なのかも。現世観戦ツアー、今度は私も申し込もうかな。
私は昔からスワローズ推しだけど、この判定は納得いかない!思わずあの世で座布団投げちゃったよ。でも、死んでも勝負の執念はみんな同じだなぁって懐かしい気持ちになった。来週の第4戦も絶対見逃さない!